ブックタイトル実装技術4月号2017年特別編集版
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実装技術4月号2017年特別編集版
451. 趣旨 一般的な認定試験で使用される手はんだ付け用練習基板は、初心者でもはんだ付けが可能な簡単なランド設計になっている。しかしこのような基板では、「なぜはんだ付けができたのか」、「なぜはんだ付けができなかったのか」を理解することができず、単に上手にはんだ付けをすることが主な目的になっているように思う。 実際の製品で使用される基板では、手はんだ付けをする周辺に大小の部品が高密度実装され、はんだごてが入れ難かったり基板の積層数が多かったりと、練習で習った方法では出来難いのが実情である。また部品や基板設計が変わると応用が利かない。実際、量産基板の手はんだ作業部位においてフローアップ不足のもの、フラックス残渣が焦げているものなど、はんだ付け時の熱バランスが取れていないものを良く見かける(写真1)。一般的なはんだ付け用練習用基板は両面基板であるが、京都実装技術研究会では生産現場でのはんだ付け作業に近い条件ではんだ付けの練習や条件検討を行えるように、積層枚数を増やしスルーホールで各層を接続することで1 層・2 層・4層・6 層の熱の逃げを再現した基板を作製した。 今回、京都実装技術研究会で作製した基板(写真2)は、初心者向けに簡単にはんだ付けが可能なランド設計と高度な技術を持ってしてもはんだ付けできにくく様々な工夫が必要とされるランド設計を組み込んであり、はんだ付けの基本原理を理解できるようになっている。基本原理を理解できるようになれば、はんだ付けが難しい各種の実基板にも対応することが可能になる。特にスルーホールの6 層ベタランドは、簡単には手はんだ付け出来ない設計にしている。それをはんだ付けする方法・手段を検討する過程ではんだ付けの基本概念が理解できるようになり、実際の基板へも応用できる。 またこの基板を用いて、スキルアップセミナーを開催し、単なるはんだ付け講習会ではなく、なぜはんだ付けができなかったのか失敗から原理を学び、即業務に使えるようなプログラムで参加者からは好評を得た。一般的なはんだ付け講習では受講者全員が一応は京都実装技術研究会 / 松原 茂樹、 原田 豊、 実装技術アドバイザー / 河合 一男手はんだ付けの基本?手はんだ付け練習基板の必要特性?写真1 フローアップ不足、フラックス残渣の焦げ写真2 はんだ付け練習用基板(京都実装技術研究会 ご協力 : 三和電子サーキット(株))