ブックタイトル実装技術3月号2017年特別編集版

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概要

実装技術3月号2017年特別編集版

20プリント配線板技術 1  はじめに プリント配線板の業界はコスト競争が進み、海外企業への製造委託により材料、加工コストを抑制する手法が一般的になっているが、企業が単独でコストを低減することは容易でないことも事実である。そこで広い汎用性の製造と流通の体制を整備して広い品質の製品を提供するいっぽう、独自の製造手法を取り入れて海外企業への製造委託を抑制し製造コストを低減する手法を検証し、日本国内での製造体制を構築することに力を入れてきた。 プリント配線板の設計と製造、回路基板の実装などに限定すれば、海外企業への委託はコスト低減に貢献したが、製造ノウハウの海外流出と製造技術の蓄積が阻害された弊害も無視できない。製造上のリスク対策もあり、高品質と低コスト、さらに日本国内での実装技術の優位性を維持するために、協力会社各社のご支援の下で、LED表示器用の極薄の放熱プリント配線板『FLEX_BRIGHT(フレックスブライト)』を開発した。 表示器、照明などLED部品は多くの電気・電子機器で利用が進んでいるが、これらの製品での軽量化と放熱性が課題となることは少なくない。LEDが実装された回路基板は周囲の目に触れやすい高い位置に掲示する必要があるいっぽう、落下など外的な衝撃によるリスクを軽減することは基本的なニーズであると考えられる。『フレックスブライト』は、LED実装基板の板厚を薄くしながら、軽量化を最大の目的に、日本国内で開発された素材を採用して高い放熱性を提供するために考案された極薄放熱プリント配線板である。   『フレックスブライト』の基本仕様 『フレックスブライト』の基本仕様は従来のFR-4などのリジット基板と同等であり、配線設計にあたっては、リジット基板の設計思想を踏襲することができる。材料の板厚は最薄で0.1mmまで対応する。両面に部品を実装することも可能で、放熱樹脂と金属(アルミ箔)を採用して放熱性能を付与する。標準の層構成を図1に示すがカスタマイズも可能である。 以下に基本仕様を示す。・板厚 : 0.1~0.4mm・銅箔 : 35μ(1oz)・配線仕様 : 個別相談・層構成 : ベース基板/放熱樹脂層/アルミ箔・樹脂層の熱伝導率 : 1.2W/mK ポリイミド素材の採用を回避することで高い寸法安定性が得られる。可撓性(屈曲性)はあるが連続した屈曲運動には適合せず、実装後には固定することを推奨している。プリント配線板は1 層(片面板)または2 層(両面板)を想定するが、プリント配線板の一部分に限定した放熱層を設けて熱負荷を低減する仕様であれば、多層板であっても放熱機能を付与することが可能となる。   フレキシブルプリント配線板との   相違点①~材料と製造工程 フレキシブルプリント配線板(以下、フレキ基板)の素材は多LED表示器用・フレキシブル放熱プリント配線板『FLEX_BRIGHT(フレックスブライト)』(仮)の開発エーエムテクノワークス(株) / 赤塚 正志23図1 層構成