ブックタイトル実装技術2月号2017年特別編集版

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概要

実装技術2月号2017年特別編集版

20検査技術 1  はじめに 昨年、ソフトバンクグループが英国 ARM Holdingsを約3.3 兆円で買収したことは、世界中に大きなニュースとして取り上げられた。英国ARM社はマイクロプロセッサのコアをデザインして、ライセンスを販売している企業であるが、このニュースを受けてARMプロセッサがさらに注目を集めている。 今回は製造現場において主流となっているARMプロセッサ実装基板の検査手法について、ファンクションテストとJTAGテストの違いを紹介したい。JTAGテストが「基板テストの明るい未来」を作るきっかけになれば幸いである。   ARM プロセッサが主流に 英国ARM社では、用途に合わせた様々なARMプロセッサを発表してきた。当社のARMトレーニングテキストから抜粋した「ARMプロセッサの進化」(図1)のように、現在主流となっているのはARMv7アーキテクチャである。 ARM Cortexプロセッサのアプリケーション用途は「A」、リアルタイム用途は「R」、MCU用途は「M」と呼ばれている。現在のARMプロセッサで主流となっているのは、ハイエンドの製品では「ARM Cortex-A9」、車載用製品では「ARMCortex-R5」、ローエンドの製品では「ARM Cortex-M4」である。 ARM Cortex-A9プロセッサはマルチコアを構築できる構成になっており、32ビットのアーキテクチャである。プロセッサ内部のバスは、AMBA3 AXI規格で構成されている。ARMプロセッサは高機能化が進むと共に、多ピン化が進み実装テストが困難になっている。ARMプロセッサのデバッグ用には、JTAGポートが用意されている(図2)。   JTAGテストとは バウンダリスキャンテスト(以下、JTAGテスト)は、5 本のJTAG信号により基板の実装状態を検査するために誕生したIEEE1149.1 の標準規格である。テストクロック TCK、テストモードセレクト TMS、テストデータインプット TDI、テストJTAGテストによるARM搭載BGAデバイスのテスト事例アンドールシステムサポート(株) / 谷口 正純2 3図1 ARMプロセッサの進化図2 ARM Cortex-A9 MPcoreの概略図