ブックタイトル実装技術2月号2017年特別編集版

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概要

実装技術2月号2017年特別編集版

14検査技術 1  はじめに これまで半導体製品の性能向上を牽引してきた、LSI製造プロセスルールの微細化は限界が近づいてきており、今後は複数のLSIチップを一つのパッケージにまとめるMCM(Multi Chip Module)技術がその役を担うことになる。TSV(Through Silicon Via)を用いて複数のLSIチップを垂直に積層する3D実装や、水平に統合する2.5D実装などの新しいMCMが既に実用化されてきており、パッケージ構造の複雑化が進んでいる。 パッケージ構造が複雑になると構成材料それぞれの熱膨張率の違いから変形や残留応力が発生し、機械的信頼性不良の問題を引き起こす可能性が高くなってくる。このような背景から、半導体パッケージの熱に対する変形特性を正しく評価できる装置(以下、熱変形検査装置)の需要は年々高まっている。 このような需要に応えてJEDECでは、熱によるパッケージの変形評価のための規格JESD22-B112Aをまとめている。そこには変形を評価するための4つの計測手法が列挙されている。図1に各手法の計測原理の模式図を示す。 共焦点法以外の手法はいわゆる三角法(三角測量法)と呼ばれる計測手法である。サンプル表面が拡散反射面である必要があり、さらにDIC法においては表面に模様が必要となる。そのため拡散反射や模様が不十分であるパッケージ基板においては通常サンプルへの塗装を必要とする。また、これらの手法を用いた市販装置は1 回の計測(1視野計測)でサンプル全体を計測することを前提としているため分解能が低く、バンプなどの基板上の微小な部品を適切に処理できない。そのため通常これらの部品は物理的に取り除いておく必要がある。塗装や部品の除去は手作業で行われ基板変形計測値に少なからぬ影響を与えることは必定である。 東光高岳は、共焦点法を用いたインラインバンプ高さ検査装置で多くの実績を重ねてきた。バンプ高さ検査装置ではバンプの高さ・コプラナリティ検査に加え、基板の変形も同時に検査しており、塗装もバンプの除去も必要がない。この技術を用いることで他手法のもつ上記のような課題を免れた新しい熱変形検査装置を製品化したので紹介する。 以下では、装置全体の構造・動作について概説し、その後本装置の大きな特徴である加熱炉と計測機構について詳説する。半導体パッケージの熱変形検査技術(株)東光高岳 / 石原 満宏、 井上 征利図1 各種の計測手法