ブックタイトル実装技術12月号2016年特別編集版

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概要

実装技術12月号2016年特別編集版

33洗浄機構の見直し 既存洗浄方式の限界 難関洗浄への挑戦半導体実装   低スタンドオフの洗浄需要の背景と   ポイント 低スタンドオフ製品の台頭は、搭載部品の「高密度化」「軽量化」技術、各企業の「IoT」技術検討も拍車をかける形となっている背景がある。 一般的に形状から無洗浄はんだを用いることは、接合強度の観点から困難であり、使用用途として高精度の清浄度が要求されることが多く、必然的に洗浄工程が必要となる。 当社によせられる低スタンドオフ洗浄の事案も非常に多く、50μm以下の低スタンドオフ品の評価をゼストロングループで行っている。現在までの検証結果からはっきりと明言できるのは、噴流方式と溶剤を用いた溶解洗浄を基調とした汎用洗浄機構では対応が難しいことである。 よりスタンドオフ高さが低くなり、形状も高密度化しているにも関わらず、洗浄方式・洗浄液の検討はまだ追従できていないと判断している。洗浄検討を行う際のポイントとしては、洗浄液の「ぬれ性・洗浄性」に加え、「液置換性」が重要ではないかと当社では考えている。   低スタンドオフの洗浄   濡れ性・洗浄性の確保 低スタンドオフ洗浄の流れは図2の形となる。通常の洗浄とおおむね同様であるが、比較的単純構造のワークを洗浄する場合と大きな2つの相違点がある。1. 内部への洗浄液浸潤性⇒基材との適合性も重要 前項でも述べたように、先端実装技術においての低スタンドオフ高さは20μmほどと非常に低くなっており、洗浄液を内部へ浸潤させることは容易ではない。スタンドオフ内部への液の浸潤は「ぬれ性」による影響が大きい。 一般的には狭ピッチ間洗浄には表面張力が小さい洗浄液が適するとされている。これは接触角によってぬれ性が変化する事象に基づいている。接触角の角度を小さくし、ぬれ性を良好とするためには、ヤングの式からも洗浄液の表面張力が小さいとぬれ性が良好となることが確認できる(図3)。 この観点は重要な項目ではあるが、実際には製品に使われている部材によって大きく左右されてしまう。 これは使用されている部材が撥水性もしくは親水性なのか、表面の平滑性はどの程度かによって接触面積や摩擦力の違いにより影響が生じる為、部材とのマッチング性が洗浄液の濡れ性に大きく左右することとなる。 効果的なスタンドオフ内部への洗浄液浸潤は、洗浄液の表面張力だけではなく総合的観点での検討が必要となる。ゼストロンジャパン(株)34図3