ブックタイトル実装技術11月号2016年特別編集版
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実装技術11月号2016年特別編集版
13「衆知を集める」~車載電装品から学ぶ実装技術未然防止法~実装工程の効率化 限られた資源を有効活用するには、知恵を絞ること、すなわち『衆知を集める』ことが一番の対策になるが、プリント基板の実装現場では、特に、人も限られていて、『衆知を集める』ことができにくい環境にある。 最初にゴールを決める ゴールのない活動は成功しない。現在の業務に明確なゴールは決まっているか。小説家、中村航(※ 2)氏はゴールを描いてから小説を書いているそうである。(2015 年10 月18日 福井県美浜町生涯学習センターなびあす「小説家中村航トークショー」にて)。ゴールとは、商品力であり製品機能のことである。 ※ 2 : 中村航(なかむら こう) : 2002 年『リレキショ』で第39 回文藝賞を受賞しデビュー。 衆知を集める1. 日本の伝統精神 日本には、『三人寄れば文殊の知恵』ということわざがある。また、明治天皇が政府に示した基本方針の『五箇条の御誓文』の第一条に「広ク会議ヲ興シ、万機公論ニ決スベシ」とある。これは、長年にわたって培われてきた、「衆知によって事をなす」という日本の伝統精神が表れたものだと考えられる。 衆知の力が今日の日本文化を作り上げてきたといっても過言ではない。「新たな創造や変革なしには事業の存続が難しい現代の経営環境において、多くの知恵(衆知)を集め、そこからビジネスチャンスを見出すようなマネジメントが重要性を増しています。」(出典 : http://hrd.php.co.jp/shainkyouiku/shiten/post-623.php) つまり、製品の開発現場、品質改善の現場で、「衆知を集める」活動こそが、繁栄の道なのである。2. 衆知の集め方について 衆知の集め方のポイントは、『見える化』をすることである。『見える化』とは、全体が俯瞰できて、具体的に議論すべき部位が、その検証資料の同一紙面にあることにつきる。 また、帳票を文字でいっぱい埋めることが、完成度が高いわけではなく、いかに、文字数を減らして、情報を漏れなく正確に伝えるかである。 実装技術においても、実装工程のプロセスを工程順に整理して「見える化」し、実際に見えない部分については、はんだが溶融するプロセスを動画などによって可視化することで多くの気づきと、改善のヒントが得られる。 ソルダペーストの基板への印刷ずれに対する、はんだ付け時のセルフアライメント現象などがその一例である。 FMEA/FTA/DRBFM FMEA/ FTA/ DRBFMはいずれも品質問題未然防止のためのツールである。おのおのの趣旨は、以下の通りである。●FMEA(Failure Mode and Eff ects Analysis : 故障モードと影響解析) 製品を構成する部品の故障モードを列挙し、考えられる原因と影響を事前に解析・評価することで設計・計画上の問題点を摘出し、事前対策の実施を通じて品質問題の未然防止を図る手法●FTA(Fault Tree Analysis : 故障の木解析) 発生が好ましくない事象をTOPに取り上げ、その事象を引き起こす要因を連鎖的に展開しその因果関係を、論理記号を用いて樹形図(FT図)にして、発生要因、発生確率を解析する手法●DRBFM(Design Review Based on Failure Mode) 創造的なFMEAを使ってデザインレビューを行うことで、その心は「衆知を集める」ことである○FMEAの効力とFTAとの関係①FMEAの効力 「FMEAは信頼性設計を評価する手法であって、機能設計に由来するトラブルを予防する役目はない」との考え方がある。 これはもともと、できの悪い設計はFMEAを行っても、根本のできは良くならない、FMEAでできが良くなるのは、「設計の素性の良いもの」だけで、FMEAで事故は防げない、ということを意味している。②FMEAとFTAの「親子の関係」思考のからくり FMEAとFTAは別の手法であるが、実はFMEAとFTAは、「親子の関係」であるといえる。その根拠は、両方とも、「機能」?「故障」?「故障モード(現象)」?「要因/真因」?「対策」で同じなのである。コンサル なかよし345