ブックタイトル実装技術9月号2016年特別編集版

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概要

実装技術9月号2016年特別編集版

45る。投影レンズがもつ深い焦点深度により、図2のように100μmの段差に対する露光が可能となる。ウエハの裏表の両面の露光によって作成したMEMSの例を、図2右に示す。4. 可視化用シートビームレーザ光源 赤色レーザ光を直接用いた新発想の流体可視化用ハイパワーシートビームレーザ光源である。 シートビームは、レーザ光を光学系により薄い膜状にしたもので、流体の断面を可視化するために用いられる。自動車、航空機、建設分野、半導体の製造装置、医療機器などの解析にも用いられる。測定方法は、流体中に可視化粒子を混入させ、解析したい断面にシートビームを照射し、高速度カメラで粒子を撮影し、流速の空間分布を得る。ウシオは、図3 のようなコンパクトな構成で、従来比3 倍の高効率を実現した。3. 光の熱エネルギーの利用 光は粒の性質もあり、そのエネルギーは、E=Hνで表される。Hはプランクの定数で、エネルギーは振動数νに比例するわけで、言い換えると波長が短いほどエネルギーが高い(夏の日焼けは、エネルギーの大きい短波長の紫外線が皮膚の化学反応を起こすためといわれる)。このエネルギーを利用した機器が多い。1. フラッシュランプによるアニール 半導体へのイオン注入工程では、注入後の結晶破壊層の修復のため再結晶化が必要となるため、高温アニールが必須であるが、長時間のアニールを行うとイオン注入層の分布が拡散のため図4 のようにウエハ内部へ動いてしまう。これを防ぐため、1/1,000 秒という極短時間での加熱プロセスが行われている。 UVから可視光までの波長を有したフラッシュランプの光は、基板(材料)表面に集中して加熱することができるため、従来の熱源と比べ、下層膜や基板への熱影響をきわめて小さくすることができ、数~数十nmと極表層のみへの図3 シートビームレーザ光学系と流体解析の図の一例図4 イオン注入の不純物分布が、長時間1,000 ℃近くのアニールでは熱拡散により崩れるので、ミリ秒の短時間に加熱を行う。写真は、瞬間加熱したシリコンウエハ図2 段差100μmの厚膜フォトレジストの露光と、上下両面加工の例イオン注入後ミリ秒アニール後通常の加熱によるアニール後表面 深さ方向イオン注入ドーズ量図1 ロールtoロール投影露光装置