ブックタイトル実装技術9月号2016年特別編集版

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実装技術9月号2016年特別編集版

341. はじめに 経済のグローバル化に伴って、生産する場所は、日本とは限らなくなり、かつ販売先も日本市場から海外市場をターゲットにしての活動が必須となってきた。実装業界においてもその波は押し寄せてきている。その対応には、最低でも英語によるコミュニケーションが必要となってきた。 今回のお役立ち情報は、そのようなグローバル対応に必要な基本的な素養について紹介したい。 海外の顧客に訴えるためには、それなりの発表技法の能力が要求される。その発表技法については第1 回目で紹介した1)。今回のお役立ち情報は、英文資料の作成上の注意事項について紹介したい。 筆者は1990年代の後半に欧州のドイツに駐在して15カ国の顧客対応と新たなビジネス展開するためのマーケティング活動を開始し、日本では経験したこともない様々な体験をした。 たとえば必要とする英文資料は、日本では問題ないが海外で受領すると文字化け、あるいは、最悪の場合は、日本語の環境でないPCでは日本語の題名の添付ファイルはダウンロードができない…といったことも体験した。 日本から送付されてきた英文資料は、手直しをしないと顧客に電子版で提出できないということも発生した。苦労して作成した英文資料が基本を守っていないために文字化けが起こることが判明した。繰り返される同じ過ちを防止するために、その当時、指針を作成して注意を喚起した。ここで紹介するのは、実体験から解決策としてとりまとめたものを「英文資料作成技法」として紹介する。2. 全角英数字は日本語である ワープロの機能に半角カタカナが可能であったためにカタカナを半角で記述したり、英数字を全角で記述する例が見受けられるようになったが、英文技術資料を作成するにあたって基本原則をまず知っておくことが必要と思う。 英文資料作成にあたっては、キーボード入力はIME off(Alt+ 漢字、Alt+カナ/かな)を前提にすることが必要である。 英数字は1バイト文字を基準にしている。いっぽう、日本語は2バイト文字のため、2バイト文字を表示する能力のない欧米仕様のOSでは文字化けとなる。IMEを切ることで欧米仕様のOS同様2バイト文字が入力できなくなり、誤入力がなく安全である。 見えないので見落しやすいのが、全角のスペースは邦文のプリンタドライバが組み込まれていない欧米のプリンタで印刷すると異なる文字(たとえば@)が印刷されたり、□(白抜きの四角)のように印刷されることがあった。 また、インターネットでは半角カタカナや機種依存文字と呼ばれるものを使用すると日本語環境同士でも文字化けの原因となるので細心の注意が必要である。全角英数字を記述するとそれも、やはり日本語なので日本語のソフトの入ってないPCや日本語のドライバの入っていないプリンタでは文字化けとなる。 最近は日本語フォントも品質向上しているため、英数字も一目ではそれが半角か全角かわからないこともままある。しかし、積極的に欧文フォントを指定してやれば、もし、英数字を全角で記述してある場合はフォントをTimes New Romanなどに指定しても変化が現われない。 半角で記述してあれば、Times New Romanなどのフォントに変換されるので、容易に判別ができる。 英文資料で全角の英数字で記述すると日本語であり、海外の関係者に提供すると文字化けとなるので基本原則をまず守ることである。 英文資料を作成したら、Word(Word2013)にはすべての全角文字を一括半角化する機能があるので、英文資料作成の最後に念のため、それを行なってから確認する。半角にする特定非営利活動法人 日本環境技術推進機構 横浜支部 / 青木 正光実装技術初心者のための『パスポート』  ?知のインプット/アウトプットのこつ?第16回「英文資料作成技法」とは?