ブックタイトル実装技術9月号2016年特別編集版

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概要

実装技術9月号2016年特別編集版

22部品搭載技術 1  はじめに 近年、既存の先進国市場に加えて、新興国市場の成長に沿って、各エレクトロニクスメーカーは、グローバル市場競争における「グローバルな視野で考え、地域視点で行動する(Think globally, act locally)」という二律背反的な課題に対して、いかにカスタマーエクスペリエンス(顧客経験価値)を向上させて、将来的な市場戦略の立案と実行に役立てるかが企業のサバイバビリティ向上に必須となっている。 こうした市場戦略に基づく『ものづくり』の志向性によって、各エレクトロニクスメーカーの電子機器製品市場はさらに細分化され、電子機器製品に採用される実装技術ニーズも多様化が進み、電子部品や実装基板の小型軽量化や高機能化に対応した高密度実装技術に加えて、QCD(品質・コスト・納期)の改善に関する技術開発がいっそう重要となっている。 この技術トレンドに呼応するように、最近では、ドイツ官民一体となって推進している「インダストリー4.0」に代表される「工業のデジタル化」や「自動化レベルの深化」が世界的に提唱されるようになり、実装プロセスにおいても、こうした潮流の本格的な到来を予感させる状況が当社の営業現場においても散見される。 実装プロセスのリワーク作業現場において多様化する各課題に対しては、作業者・管理者の方々が長時間費やして試行錯誤しながら会得したスキルやノウハウの蓄積によって、かろうじて解決させているという現状があり、それにかかるコストや作業者・管理者の心身への負担も大きい。このような悩みを抱える現場は数多く、当社としてもお客様からのご相談が絶えない状況にある。 そこで本稿では、こうした実装生産現場の現在と将来の動向を踏まえた上で、50年以上にわたり実装業界発展に貢献してきた一社として、人を中心としたイノベーション・コンセプトをベースに開発したスキルレスリワーク装置『MS9000SEPC』タイプに採用されている各コアテクノロジーの概要を紹介し、今後の当社次世代リワークステーション開発に関するインプリケーションを提示し、実装業界発展への貢献の一端を担えるよう持続的に努める所存である。   リワーク装置の課題 実装現場におけるリワーク作業は、従来から現場の熟練作業者が体得してきたノウハウやスキルによって行われてきたケースが一般的であった。しかし、実装技術において、微小、狭ピッチ、多ピン、多層、大型といった多岐にわたる様々な技術が混在するようになってきており、場合によっては手動での作業対応が困難なケースも生じてきている。 日本国内の実装現場では、少量多品種製品が増加し、1 枚の基板上で1ヶ所のみをリワークするという場合も少なくない。このような場合、従来のリワーク工法の多くは、作業者の経験値に基づく過去の類似した経験的知識によって、手動によるデバイス部品の取付け作業を行なっていることが多い。最新リワークステーション『MS9000SE PCタイプ』メイショウ(株) / 西村 威行2写真1 『MS9000SE-PC』