ブックタイトル実装技術8月号2016年特別編集版

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概要

実装技術8月号2016年特別編集版

 製造装置としては、基板の外形切断装置、配線パターンの作画装置、積層用のプレス装置、穴あけ用のNCドリル装置、部品実装機、ハンダ付け装置などがあります。 この中で、CAD装置からの設計データが必要となる装置は、基板の外形切断装置、配線パターンの作画装置、穴あけ用のNCドリル装置、部品実装機などです。 3. 作画フォーマット 基板配線や、内層プレーン層の外形やクリアランス、分割されたプレーン形状などの作画データは、ガーバ(Gerber)フォーマットと呼ばれる業界標準フォーマットで標準化されています。 これは、もとはGerber 社のフォトプロッタ作画機(図6)で使われていたファイルフォーマットです。 Gerbers 社のフォトプロッタは広く使われてはいましたが、他にもフォトプロッタを製造、販売する会社は、いくつかありました。  Gerber 社は自社のファイルフォーマットをいち早く公開し、誰でもフォーマットを使えるようにオープンしたため、業界の標準フォーマットとして、他社のプロッタでも使われるようになりました。 ガーバデータには、フォトプロッタ時代に制定された、ガーバデータと、その後、作画機がレーザプロッタ(図7)になり、レーザプロッタの機能を生かすように拡張された、拡張ガーバデータと呼ばれる2種類のフォーマットがあります。 現在では、レーザように機能を拡張したフォーマットが、「標準ガーバ」とか、「拡張ガーバ」と呼ばれ、標準的に使われています。4. 基板外形データ 基板の外形は、大量生産ならば、型を作って、プレス装置で切断します(図8)。 少量生産の場合は、NC ルータ(図9)や、カッティングマシンで、切断します。 このように基板外形に対しては、加工装置が幾つかあり、これは、製造側で、製造量や、製造場所の設備などに条件で決定します。 このため、設計ではあまり製造装置を意識しない場合が多くあり、製造装置が変わると製造データも異なります。 たとえば、NC ルータで基板外形をカットする場合でも、3mm 径のビットを使えば、外形から1.5mm のオフセットをつける必要があります(図10)。これが、4mm 径のビットでは、オフセットは2mmが必要です。 また、基板を歩留よく、綺麗に外形をカットするためには、カット歯の回転方向と進行方向を制御することも必要となります(図11)。 CADでの設計段階で、このような細かいことを考えて、製造データを出力することは不可能です。このため、一般には、CADで出力された外形データに対して、製造現場で自分の装置に合わせて、最終データを作成します。 NC ルータでは、エクセロン・フォーマットと呼ばれるフォーマット・ファイルがよく使われます。 外形出力としては、このエクセロン・ファイルか、基板外形の作画データ(ガーバファイル)がよく使われます。どちらの場合でも、オフセットなどはかけずに、外形をそのまま出力します。5. NCドリルデータ NC 穴あけデータもNC ルータと同じエクセロン・フォーマット・ファイルを使います。 エクセロン・フォーマットでは穴あけとドリル前田真一の最新実装技術 あれこれ塾図7 レーザプロッタ図9 NC ルータビット(刃)図8 プレス機(PRIKEN Co., Ltd.)図6 フォトプロッタ図11 ルータの刃の回転と切削の方向図10 ルータのオフセット図5 基板外形カット熱板トレイ加圧方向直空用囲壁積層ブロックプレス支柱53