ブックタイトル実装技術5月号2016年特別編集版
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実装技術5月号2016年特別編集版
置が必要とされます。3. 高速データ転送技術への 要求 膨大なビッグデータは当然、個々のPCでは保管できず、センターのサーバで保管、管理し、個々の端末PCは必要に応じてサーバのデータにアクセスします(図2)。 IoT 装置や端末PCから入力されたデータはすべてサーバに送られます。データサーバのデータ入出力量は年と共に飛躍的に増大しています。今後は、これまで以上に急激なデータ転送の増大が見込まれています。 ITU-Rによると、2020 年間にはデータの通信量が2010 年の40 倍から80 倍に増大するといわれています。 増え続けるデータの転送量に対し、端末のPCやスマートフォンは性能が向上し、扱うデータ量の増大や、レスポンスの高速化が要望されています。 端末の処理の高速化は、端末の速度向上だけでなく、データへのアクセス速度の向上が必要です。 このためにはサーバのデータ転送速度の向上が必須の基盤技術です。コンピュータ、サーバやネットワークシステムとの接続基盤となるイーサネットは転送速度が1Mbps(1BASE)から始まり、いよいよ1Gbps(1000BASE)の時代になりました。 この時は、まだ、メガ(M)の単位を使って、1000BASE の名称でしたが、その後さらに高速化され、名称もGBASEを使うようになりました。現在は、100Gbps(100GBASE)が最速ですが、ロードマップによると、来年には、400Gbps の(400GBASE)が規格化される予定です(表1)。 高速、長距離イーサネットは「光」伝送が普通ですが、バックプレーンや同一筐体内接続など非常に短い配線では銅接続も使われています。 また、25GBASE や40GBASE、100GBASE、さらに来年にも規格が発表されるであろう400GBASE 接続を行うためには、基板側で、その速度以上の高速データを用意する必要があります。4. 基板配線信号の高速化 MPUは並列で処理をします。現在ハイエンドMPUは64ビットマシンが主流で、64ビッドの並列処理となります。 さらにデータ処理の高速化が必要な場合には、マルチコアMPUやチップの並列接続を使って、並列処理(マルチスレッド)を行い、時間あたりの処理を多くします。 特に、画像処理やシミュレーションなどの化学処理演算では、GPUというマルチスレッドに適した構造のプロセッサを使って、非常に多くの並列演算を行って処理を高速化しています。 データの転送速度は同時に転送するデータのビット数と、1ビットあたりの転送速度の積になります(図3)。 このため、プロセッサの並列処理ビット数が多くなれば多くなるほど、ビットあたりの転送レートは遅くても間に合うようになります。 逆に同時に送るビット数の少ない、シリアル転送では、ビットあたりの転送レートは高くなります。 Gigabitイーサネットでは、4?16チャネルのシリアル転送を並列転送して、100Gbpsや400Gbps の転送速度を達成しています(図4)。 それでも、チャネルあたりのデータ転送速度は25+Gbpsや50+Gbpsと高速になっています(表2)。 イーサネットでこれだけ高速のデータ転送を行うためには、基板上で、MPCの並列データとイーサネットI/Fとの間で、パラレルデータとシリアルデータの変換を行う必要があります。 この基板上のシリアルデータは、イーサネットに待ち時間が生じないようにデータを授受するためには、イーサネットのデータレートよりもう少し高速化する必要があります。このため、基板上でのシリアルデータ転送速度は、28Gbps、32Gbps、56Gbpsなどが要求されます。前田真一の最新実装技術 あれこれ塾表2 高速イーサネットのチャネル当たりのデータ転送速度図4 RJ45コネクタのピン配列(10BASE, 100BASEでは1CH、1000 BASEでは4CH)図3 バスのデータ転送速度53