ブックタイトル実装技術5月号2016年特別編集版
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実装技術5月号2016年特別編集版
46 今月ご紹介する(株)アトリエ イシカワ(以下、AI 社と略記する)は、社員が少ない小さな会社であるが、数多くの半導体製造装置のソフトウエアを開発し、また生産ラインの生産性向上について現在話題になっているインダストリー4.0の先駆けになるような仕事を行い、長年の経験を活かしたコンサルティングを行っており、注目すべきベンチャー企業である。 これまでの主な実績を、表1に示す。1. 半導体製造装置へのソフトウエア提供 露光、コータ/デベロッパ、エッチャー、アッシャーなどリソグラフィ装置を中心に、さらにCVD、PVD、膜厚測定、めっき、洗浄、検査、測定など、多くの半導体製造装置のソフトウエアの開発を行ってきた。ただし、顧客からの仕様をそのまま作成するのではなく、市場ニーズと装置仕様が合っているか、開発チームのベクトルが合っているかなどのコンサルティングを行って、結果として顧客に満足していただけるソフトウエアを開発することを重要視している。半導体の製造装置はきわめて高価なので、スループットを上げて台数を削減したい。そのためのソフトウエアもきわめて重要である。また、実際の生産ラインでは、ある装置のスループットが100 枚/時、次の工程の装置が50 枚/時、その次が70 枚/時などいろいろなケースがあり、どのように接続するのが良いかソフトウエアで対処すべきである。 次に装置の性能面でのソフトウエアの重要性について、たとえば露光機や検査・測定機のような順次位置合わせしながら送る装置では、全ショットで正確な位置合わせを実現しなければならない。そこで、図1 のように、送りながら合わせ位置を検出し、ずれが発生すれば補正するソフトウエアを開発した。最先端ノードでは、3nm 程度の合わせ精度が要求されており、検査機ではこれよりも厳しい精度が要求されるので、装置のハードウエア製作とソフトウエアが緊密に協力する必要がある。 最先端技術の話題としては、研究開発で使用されている装置を最先端ノードの量産ラインで活用するプロジェクトや微細化用装置のスループット、精度向上のプロジェクトに関わっている。また、ファブや装置メーカーを悩ませる装置の放電対策にも取り組んでいる。厚木エレクトロニクス / 加藤 俊夫シリーズ・企業訪問 きらりと光る優良企業(第15回)ソフトウエアの開発で、半導体装置を始め、生産ラインを支える株式会社アトリエ イシカワ表1 AI社のこれまでの主な実績図1 ショット位置がずれた時の自動補正