ブックタイトル実装技術4月号2016年特別編集版
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実装技術4月号2016年特別編集版
13ロボットによる微細ねじ締めの自動化実装工程に貢献する製品・技術 しかも、ねじが締まったことのトルク検知は、ばねなどの簡単な検知方法であり、検知された後にクラッチ機構を切ってモータの駆動力をビットから切り離す方式である。■問題点①小型軽量化 減速ギヤやクラッチ機構など比較的重く大きな部品が必要になり小型軽量にはならず、ロボットの可搬重量に負担をかける。②ねじ締めトルクのばらつきや数字の設定ができない クラッチから切り離された後にビットはフリーになるため、ねじ締めトルクのばらつきが大きく、構造上トルクの設定ができない。③吸着ミスに関する問題 ねじを吸着する場合、ねじの十字穴にビットを嵌合させる必要があるが、高速でビットが回転しているため、吸着ミスの発生頻度が高く、吸着後のねじの姿勢が真っすぐにならないことが多い。ねじを吸ったかどうかは、真空センサなどで容易に検出することができるが、斜めに吸着していると、当然ながらロボットが搬送するときにねじを落下、または、雌ねじに対して斜めにねじを挿入することになる。④ねじ締め途中の異常検知ができない ねじが斜めに挿入されるなどの原因で、所定の回転に達する前にトルクアップしてしまい、異常として検知ができず、ねじ浮きなどの不良になりやすい。⑤ビットが消耗しやすい 減速せずねじ締めが終了するので、ビットとねじの嵌合部に大きな力がかかりビットの消耗がしやすくなる。 ロボット搭載用の電動ドライバ 『PRO-FUSE』の特徴 図1は『PRO-FUSE』の写真である。電動ドライバ本体部、コントローラ部から構成されている。 電動ドライバ本体内部には駆動用のモータ、真空吸着ねじ保持器、マウスピース、ビットなど必要な機能が収納されている。S(M0.6 ~ M1.2)、L(M1.2 ~ M2.0)、XL(M2.0 ~M3.0)の3モデルがラインナップされており、ねじ締めに必要なトルクからモデルを選択する。 『PRO-FUSE』は駆動用のモータにステッピングモータを採用したことが大きな特徴である。一般にステッピングモータはパルスモータとも呼ばれ、パルスの入力に合わせてステップ駆動されることから、滑らかな回転や、負荷変動に弱いとされ、従来の常識では電動ドライバとして採用されることはなかった。 ところが近年、ステッピングモータの駆動には大きな技術的イノベーションが起きており、ステッピングモータにセンサをとりつけ、ベクトル制御することが可能になっている。 その結果、どの回転領域でも滑らかな回転、静音、低発熱、付加変動にも強く、高速の電流制御により、微細なトルク制御も可能になるなどの特徴をもったシステムとなった。当社はこれを生かし電動ドライバへの応用を思いつき、開発を進めてきた。 その結果、減速ギヤやクラッチを使用しない ? ねじ締めの開始から完了まで、いくつかのステップで最適な回転速度が設定できる ? 微細なトルクの制御により、ねじ締めのばらつきを極力抑えることでねじ締め終了時の衝撃をソフトにできる ? ビットの寿命も大幅に長くすることができるなど、理想的な電動ドライバのシステムが構築できた(特許取得済み)。 『PRO-FUSE』のさらに大きな特徴の一つに、ねじ締め途中のトルク変動を監視し異常があればすぐにロボットへ(株)バンガードシステムズ図1 微細ねじ締め電動ドライバ『PRO-FUSE』 関東経済産業局「新連携」認定