ブックタイトル実装技術2月号2016年特別編集版

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概要

実装技術2月号2016年特別編集版

これあれ塾前田真一の最新実装技術連 載第59回 ビッグデータを処理するソフト1. 製品データベース 現在、多くの製造会社では、PDM( ProductData Management)システム、それをさらに広範囲に進化させたPLM (Product LifeManagenment)システムと呼ばれるデータベースシステムを使って、製造データ、部品、製品の全データの管理をしています。 PDMは製品製造、部品調達、設計のデータを一括管理して、製造を管理します(図1)。過剰な部品の在庫を持たず、製造計画に合わせ、部品をジャストインして、製造を合理化します。 PLMはこのPDNにさらに製品の部品履歴と販売履歴などをデータベースを大規模化し製品寿命すべてを管理します(図2)。たとえば、製品の部品に間違えて環境汚染部品が使われてしまったことが後で判明した場合、PLM の活用でこの部品が、いつ、どこでどのくらい販売されたかを追跡し、リコールなどの対策が取れます。 世界的な問題となった、タカタのエアバッグや、VW 社のディーゼル車の排ガス問題など、すぐに何年のどの車種で、どの国で販売されたものが対象であるかがわかるのは、製品のデータ管理が有効に活用されている結果です。 自動車や家電製品などのシステム製品には非常に多くの部品が使われています。また、製造数も膨大な数となっています。これらの製品の寿命期間にわたって、部品履歴、販売履歴をデータベース化することは膨大なデータを管理することになります。 このような大規模なデータベス管理システムは既に管理、運営されているものですが、これらはビッグデータとは呼びません。2. IoTとビッグデータ IoT(Internet of Things)はあらゆるところから膨大なデータを集めることができます。 IoTはビッグデータの収集手段として、大きな役割を果たすと考えられています。しかしIoTが集めたデータは、これまでのデータとは量だけではなく、実は質も異なっています。 IoT の思想が生まれ、IoT 製品が具体化し、これまでとは異なるデータを大量に集めることができるようになりました。 この、IoTが集めた膨大なデータを有効活用するためにビッグデータの考えが生まれたともいえます。 このように、IoTとビッグデータはある分野では表裏一体となった思想になっています。 しかし、このIoTが集めたデータをどのように有効に使えるかはソフトの問題になります。PLM のようなこれまでのデータベース管理ソフトでも、大きなデータであっても、データの検索が可能になっています。 たとえば、使っていた部品の欠陥が判明した場合、該当する部品を使っていた製品が何時、何処で、どれだけ売れたかを検索することができます。 ではこれらのデータ管理ソフトと、今言われているビッグデータに違いがあるのでしょうか? 現在のデータベースは、ある目的を持ってデータを入力し、管理、応用しています。このためのデータ入力には膨大な時間とコストがかけられます。たとえばマイナンバーのデータベース構築には、日本国民全員の戸籍情報と、ナンバーをすべて入力する必要があります。このデータベースは膨大なものとなりま図1 PDM 図2 PLM52