ブックタイトル実装技術2月号2016年特別編集版
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実装技術2月号2016年特別編集版
41ガス成分を測定する、きわめて小さい車載型の排ガス計測システムを商品化され、測定試験室で自動車を固定した測定だけでなく、路上走行中での実態に即した排ガス測定ができる。装置の仕様や用途は、表1 のようになっている。(2)排ガス以外でも自動車分野に注力する 155 億円で英国のMIRA 社を買収したが、ここは東京ドーム60 個分のテストコースをもち、様々な車両開発に関する設計・エンジニアリング技術と試験施設運営の事業を行っている。MIRA社の技術と、自動車開発や規制に係わる分析・計測技術を統合し、自動運転や電気自動車・超低燃費自動車などの次世代モビリティ開発の最先端分野で事業を拡大していく。 2. 半導体や液晶関連の測定機器(1)マスフローコントローラ 半導体、太陽光発電、液晶、有機ELなどの生産では、CVDやエッチング工程で各種のガスが用いられるが、その流量を制御するのがマスフローコントローラである。堀場の世界シェアが50 %を越え、デファクトスタンダードになりつつある。装置の構造は図1に示す通りで、入口から入ったガスはまずセンサとバイパスに分流される。センサでは、ステンレス製の毛細管に2 対の発熱抵抗線を巻き、電流を流す事により加熱し、毛細管内に流体を流すと、上流側と下流側に温度差が生じ、この温度差をブリッジ回路で電気信号へ変換し、流体の質量流量を計測する。その信号で流量制御バルブを開閉して設定された流量に制御する。(2)半導体製造プロセス用薬液の濃度モニタリング 半導体製造プロセスでは、洗浄やエッチング用途に多くの薬液が使用される。堀場ではRCA 洗浄はもちろん、酸化膜やシリコンのエッチングプロセス向けに薬液濃度モニタを提供し、ウェットプロセスの効率化に貢献している。吸収分光法の採用により、試薬を使わずに多成分薬液を同時に測定が可能である。図2は、RCA洗浄用の装置構成の例である。3. 医療関係の測定機器(1)血球計数装置 血球係数の測定原理は電気抵抗法を用いて、血球が電気の流れている小孔(アパーチャ)を通過する際の電気抵抗変化から数と血球の大きさを求め、血液球の種類ごとに分類し積算する。白血球などの血球成分を測定する血球計数及び、炎症の指標となるCRP(C反応性たんぱく)濃度を同時測定する自動血球計数CRP測定装置は、即時院内検査を行い、その場で医師へ検査結果を提供できる。2015年にはきわめて小さい新型の販売を開始し、国内外で累計約15,000台を販売したベストセラーである。血球計数装置概略を表2に示す。表2 血球計数装置概要図1 マスフローコントローラ図2 薬液濃度モニタ