ブックタイトル実装技術2月号2016年特別編集版
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実装技術2月号2016年特別編集版
153D-SJIで資源(人財/機械)間コミュニケーションが変化する検査技術く伸び続けている。こちらの規格は以前から有効性(主に顧客)と共に効率(主に組織パフォーマンス)が求められている。トップマネジメントにおいてはその両方の管理が必要である。ISO/TS16949は規格条項が多い中、ISO9001 の改訂にともない、改訂版が今年発行されるものと思われるが、昨今、市場で発生してしまった品質に関わるインシデントが規格にどう反映されるかに注目したい。 品質の投資効果を測る方法として、「品質コスト」という概念がある。品質マネジメントシステムに代表されるマネジメントレビューにおいては失敗コスト(Failure cost)だけに目が行きがちだが、そのための投資である不良流出防止のための評価・検査コスト(Appraisal cost, 発見コストとしてDetection Costともいう)と不良発生防止のための予防コスト(Prevention cost)を含めた戦略的なコスト管理をすると、適正な品質の投資効果が測れるといったメリットがある。品質経営の課題を一言でいうと何か。それは「最高の品質を最大の効率」で実現する、ということであろう。狙いの品質を定め品質目標を掲げ、それを達成し続けることは失敗コスト低減だけでなく、品質におけるブランド価値の定着、ロイヤルティの維持向上が期待される。むだである失敗コストと、そのための投資である評価・検査コストと予防コスト、このトータルの「品質コストの最小化(図2)」がありたい姿であり、そのための新たな先進技術(設備、材料、方法など)とその技術への投資効果を適切に判断する経営的なKPI管理が課題となっている。2. 品質管理の観える化へ(To Define) 前述した品質マネジメントも品質管理であることには変わりないが、ここでは品質コントロールの観点で記す。 改めて、日本の品質はどうやって向上してきたか。1950年代に米国から日本に統計的品質管理やQCサークルが導入された結果、日本の品質は飛躍的な向上を遂げることができたとされる。まず統計的品質管理において重要なことは何であろうか。コントロール(管理・制御)のためには測定が必要であり、品質情報の定量化は必要条件である。またQCサークルについてはどうか。これはグループ活動であり、各サークルで課題を自主的に決めて改善活動を行うことが特徴である。サークル内の繋がりも大事だが、設備投資などが生じるような大きな改善が必要なときは部門横断的アプローチが必要となる。また製造部門がトリガとなって根本課題解決のために設計(工程・基板)部門と関わることもある。あらゆる関係者とのコミュニケーションの円滑化において自主的・自律的な動きは継続的改善活動に繋がる。そのための仕掛けが必要である。昨今、ファクトリーオートメーション化が進んでおり、さらにはIndustre4.0 のような革命的な動きもあることから、今後も人的作業の機械化・電子化が進むのは論を俟たないが、いつの時代も資源間(人と人、人と機械、機械と機械、すなわちM2M、H2M、H2M)コミュニケーションにおける品質情報化のポイントはお互いが理解できる言語化(翻訳不要)と定量化(測定可能)であろう。 実装に関わる設備等の課題はどうか。たとえば従来の検査設備は課題を残している。AOIと呼ばれる画像処理マシンから出力する画像言語を実装技術者が理解できない。また画像処理マシンから出力される画像特有の数値(画素・輝度値・色度・ピーク値・不感帯……)を他の設備が確実かつ効率的に活用できるとも考えにくい。標準化といった観点では設備間の通信規格の標準化の課題解決と共に、一部の専任技術者だけでなく品質に関わる関係者全員が理解できる高質の実装情報提供が要求されている。オムロン(株)図2 品質コストの最小化