ブックタイトル実装技術1月号2016年特別編集版

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概要

実装技術1月号2016年特別編集版

53CMOSの感度が向上して実用化された。CCDでは、水平出力CCDでかなりの電力を消費するが、CMOSではこのようなことがなく省電力であり、スマホなどはすべてCMOSが採用されている。3. カラー化 カラーカメラのためには、イメージセンサから色信号が得られなければならない。そこで、図2のように各画素の上にRGB(Red、Green、Blue)の色フィルターが設けられている。人の目の特性を考慮してGreenの信号を多くとるため、図のようはベイヤー方式の配列でGreenの画素数を多くしている場合が多い。さらに、感度を上げるため各画素の上にレンズを設けて光の利用率を上げている。4. CCDとCMOSの欠点 CCDもCMOSも、通常のカメラとして使用する上で十分満足できる画像が得られているが、専門的に詳しく見ると気になる点がある。CCDでは、画素信号を垂直転送レジスタで転送中に、特定画素に強い光が入って電荷が溢れることがあると、これが転送中のすべての信号に重畳して白い縦筋が発生してしまい、これをスミアと呼んでいる。いっぽう、CMOS の場合は、図3 のように画像が歪んでしまう動体歪がある。CMOSでは、左上の画素から順に読み出して、右下の画素を読み出すまでに少しの時間が掛かるが、この間に被写体が動くと図3のような歪んだ像となってしまう。これをローリングシャッタによるフォーカルプレーン歪みと呼んでいる。この点、CCDの場合は、全画素を同時に読み出すのでこのような現象はない。このような欠点は、普通の消費者は気がつかないで使っているが、技術者は少しでも改善するため日夜努力をしており、画素内にアナログメモリを搭載し、全画素の信号を同時にメモリに転送するグローバルシャッタ方式により、歪みをなくしたCMOSが開発されている。5. 人の目を越える ソニーのイメージセンサは、「人の目を越える」を標榜されている。人の目では見えないものをカメラなら見えるというわけである。この素晴らしい技術について伺った。図1 CCDとCMOSイメージセンサの構造と動作図2 オンチップレンズと色フィルタ図3 CMOSイメージセンサの動体歪み