ブックタイトル実装技術1月号2016年特別編集版

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概要

実装技術1月号2016年特別編集版

49車載用に最適な高耐熱疲労性はんだ材料はんだ関連技術だへこれら元素を添加することで、析出強化と固溶強化の相乗効果により、Sn-Ag-Cuはんだの材料強度を超えるはんだ材料を提供してきた。   従来技術の課題 析出強化と固溶強化を有効に利用することで、はんだメーカーは競ってはんだ材料強度を改善してきたが、品質要求基準が年々高まっている車載分野では限界が見え始めている。 これは、金属の特性上、強度の改善と脆化が表裏一体であることに起因する。これは、品質要求基準が高まるにつれ、はんだ材料は強度改善を進めてきたが、いっぽうでその脆化を代償として支払ってきたということである。過剰な高強度化は、結果として脆化が課題として表面化してしまうということにつながる。   課題解決へのアプローチ 脆さは加工プロセスなどによりその改善が可能だが、接合材料として使用されるはんだ材料は、お客様の実装プロセスにおいてはんだ溶融から凝固というプロセスを辿るため、はんだメーカー内の加工プロセスによる改善は極めて難しい。つまり、はんだ材料においては高強度化と脆化の表裏一体性を崩すことが難しいということである。 ここで必要となるのは、「高強度化以外ではんだ接合部の寿命を改善する」方法を模索することである。これまでお客様からの「高信頼性化」要求に対し、はんだメーカーは「高強度化」により、その要求を達成してきた。つまり、高信頼性化≒はんだの高強度化という図式が成り立っていたが、この「≒」を外すための新たなアプローチが必要になるということである。 ここで我々は、熱疲労試験後のチップ部品接合強度について着目した(図3)。千住金属工業(株)34図2 析出効果と固溶強化図3 ヒートサイクル後のチップシェア強度