ブックタイトル実装技術1月号2016年特別編集版

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概要

実装技術1月号2016年特別編集版

48はんだ関連技術 1  はじめに 当社は、その経営の理念の下、はんだ材料・FA装置を通してお客様の実装品質向上を支援するソリューションを提案している(図1)。 接合材料として使用されるはんだ材料は、2000年前後からSnPbはんだからPbフリーはんだへの切り替えが本格化し、現在Sn-Ag-Cu系はんだがPbフリーはんだの中核として広く使用されている。 現在、はんだ材料への要求は低コスト化・高信頼性化の二極化が進んでおり、このうち低コスト化要求は、Ag量を低減させた低Ag・無Agはんだを以て達成されつつある。いっぽう、高信頼性化要求は、高発熱部品の導入や、実装技術動向の変遷により、その要求水準が年々高まっていることから、いち早くソリューション提案が必要となる。 特に近年では、自動車の電子化・電子制御化が目覚ましく、その過酷な使用環境や長期にわたる稼働期間に対応するはんだ材料がキーテクノロジーとして注目されている。   従来技術 Pbフリーはんだは、その組成の多くが90%以上のSnで構成されていることから、Pbフリーはんだは、Snを主人公とすえた上でAgやCuといった金属元素を複数添加することで、接合材料としての特性を向上させているという概念の下、設計されている。 特に車載分野では、上記の通り長期信頼性の確保・品質向上を第一とし、はんだの材料強度を改善することでその要求に応えている。はんだ材料の強度改善には、従来より析出強化と固溶強化といった手法が選択されてきた(図2)。 Sn-Ag-Cuはんだは析出強化により材料強度を改善した材料である。析出強化はAgやCuに代表される強化方法であり、それぞれがSnと反応することで金属間化合物Ag3SnやCu6Sn5を形成し、はんだの材料強度を改善させている。 このSn-Ag-Cuはんだからのさらなる強度改善に、固溶強化が積極的に選択されてきた。固溶強化を発現する代表的な金属元素としてIn・Bi・Sbなどがあげられ、Sn-Ag-Cuはん車載用に最適な高耐熱疲労性はんだ材料千住金属工業(株)2図1