ブックタイトル実装技術12月号2015年特別編集版

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概要

実装技術12月号2015年特別編集版

38 (株)東レリサーチセンターでは、各種の電子デバイスの表面や内部の解析を行い、品質向上、歩留まり向上、信頼性向上に大きな貢献をされている。解析のためには、実にいろいろな技術が開発されており、10月は解析手法の解説のみを行ったので、今月は実際に各種デバイスの解析結果のデータを紹介する。1. パッケージ・実装関係 本誌の読者は、パッケージや実装関係の方が多いと思われるので、まずこの関係の資料をいくつか紹介する。1.樹脂封止パッケージの耐湿性 上下はガラスでも、サイドは樹脂で封じられているパッケージは非常に多い。有機ELでは、万が一、水分が侵入すると特性が劣化する。水分の侵入を測定するため、重水素を用いた重水(D2O)中で80 ℃、最長360 時間保管した。 初期、72 時間、360 時間の様子を図1 左に示す。2枚の有機ELで劣化の様子がかなり異なっている。有機ELパネルを破壊し、封止樹脂の外側と内側の重水素の濃度をSIMSを用いて分析したところ、図1右のグラフが得られた。画面の劣化がひどいほうのパネルは重水素の量が多く、樹脂の外側だけでなく、内部にもかなりの重水素が検出された。 調査した樹脂封止パッケージでは、樹脂が浸入経路となったと考えられる2. ワイヤボンドの不具合 半導体素子のワイヤボンド接続は長い歴史があって信頼できる技術と思われるが、仔細に観察すると、図2のようにかなりの欠陥を内在しているので要注意である。3. フリップチップ接合断面観察(その1) 図3は、フリップチップ接合の断面SEMの写真である。右側は左側の一部を拡大した写真で、クラックやフィラーを巻き厚木エレクトロニクス / 加藤 俊夫シリーズ・企業訪問 きらりと光る優良企業(第11回)分析技術で電子デバイスの品質向上に貢献する(株)東レリサーチセンター(その②)図1 重水中の保管で画質が劣化した有機ELと、封止樹脂中の重水素比図2 ワイヤボンド接合の不具合の数々