ブックタイトル実装技術10月2015年特別編集版

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概要

実装技術10月2015年特別編集版

21トリリオン・センサとMEMS電子部品るSteve Walsh教授(米New Mexico大学)は、今後出現するセンサ・アプリケーションの早期予測のために、MANCEFの過去のRoadmapの経験を再利用しながら、TrillionSensors Roadmapを作成することを提言した。 2012 年に入り、Roadmapのコンセプトが各地の会議で提案され、米国、欧州の関係者によるBrainstormingによるアイデアの創出を経て、TSensors Summit Conferenceのコンセプトが、Janusz Bryzek主導で生まれるに至った。 2012 年後半、Janusz Bryzekは、書籍『Abundance』に遭遇し2)、TSensors Summitを推進するさらなる動機づけとなる。Janusz BryzekからTSensors Initiativeについての情報を得たAl Pisano教授(当時、UC Berkeley)がその支援を決断、2013 年3 月8日、UC Berkeleyにて開催の、“The Trillion Sensor Universe: ManufacturingChallenges”会議へと発展した。 Janusz Bryzekが主宰するTSensors Summitが、1 兆個のセンサ・アプリケーションとセンサ・タイプを見つけることに焦点をあてるいっぽうで、Steve Walsh教授の主導するTSensor Systemsは、データ移送・通信、アルゴリズム、解析、データ処理とセンサ融合、データ保存とクラウドなど、2023 年のTrillion Sensors実現のための基盤技術に関するRoadmapの展開に焦点をあてる。 センサが支える、10 年後のAbundanceについては、その書籍の中で、すべての人にとって、飢えがなく、医療が行き渡り、汚染もなく、エネルギーを享受できる理想の世界が、ほぼ20 年後に到来するとされている。その世界は、8 種類の指数関数的テクノロジー(バイオテクノロジー、コンピュータ、ネットワークとセンサ、人工知能、ロボティクス、3Dプリンティング、医療、ナノテクノロジー)によって実現される。センサは、その指数関数的テクノロジーのひとつであるとともに、他の指数関数的テクノロジーにも組み込まれる重要な技術とされる。予測されるセンサの必要数は、2020 年代後半に、45兆個(2007 年の10 億個、2014 年の100億個から大きく増加)と予測されるが、過去のセンサの平均的開発期間は30年を要しており、予測されるAbundanceの到来までの期間より長期間を要してしまう。したがって、TSensors Initiativeの目的は、Abundanceの実現のために、センサの開発期間の大幅な短縮にある。そして、TSensors Summitsにおける専門家の予測によって、将来出現する超多量のセンサ・アプリケーションを早期に明示することが重要である。また、TSensors Roadmapは5)、TSensors Summitsで提示された内容をまとめることによって、Abundance実現のための、産学官におけるセンサ開発指針を作成することを目的とする。さらに、Abundanceの実現に貢献するセンサの製品化を加速するために、TSensors Supply Chainを構築する。   Trillion Sensors Summits 2013年3月のTrillion Sensors Universe Workshop(UC Berkeleyで開催)に引き続いて、2013 年10 月に米Stanford大学にて、第1 回TSensors Summitが開催された。2014 年2月に東京、9月には独ミュンヘン、11月には米サン・ディエゴ、12月には再度東京で、順次開催された。各回のサミットでは、150?300名の参加者が見られ、活発な議論が展開された(表1)6)。 第1 回TSensors Summitには、米国・欧州を中心とした大手IT・半導体・電子産業関連企業、大学・研究所、MEMSを中SPPテクノロジーズ(株)3表1 TSensors Summit一覧表6)