ブックタイトル実装技術2月号2015年特別編集版
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実装技術2月号2015年特別編集版
電力供給はないので、接続回路の消費電力を小さくする必要があります。幸い、機器内接続のため、信号伝送距離は短いので、できるだけ信号の電流を小さくしてドライバの消費電力を削減します。また、コネクタの形状やピン数に対する標準化の必要性が小さいため、ピン数を多くしたり、必要に応じてピン数を増やすことができます。データ転送速度が不足すると、必要に応じてレーン数を増やして、転送速度を増やすような規格が多くあります。このため、同じシリアルの画像データ転送規格でも装置間接続の規格と異なった装置内接続の規格が使われます。3. LVDS LVDS(Low Voltage DifferntialSignaling) はNational Semiconder 社( 現:TI(Texas Instruments)社)が液晶ディスプレイのインタフェース規格PDFLink(Flat Panel DisplayLink)規格で開発した作動信号の回路です(図4)。 PDF-Linkは特に携帯機器を意識せず、一般デジタル電子機器の液晶ディスプレイ接続用に開発されました。 その後、PDF-Linkとドライバ回路の両方をLVDSと呼ぶようになりました。このLVDS 回路はCMOS 回路(図5)より低消費電力で高速、長距離信号伝送が実現できます。また、作動信号のため、電磁放射ノイズが少なく、同時スイッチング・ノイズも小さい(発生しない)という特長があります。 LVDS は信号は1.2 V、3.5mA の定電流ドライバで、信号に合わせて電流の向きを反転させます。これをレシーバ側で100オームの終端で受けると、1.2Vを中心に±0. 35Vの作動信号を使います。つまり、一般の信号にすると、振幅は0.7 Vになります(図6)。この信号規格はTIA/EIA-644、IEEE 1596.3で標準化されています。 LVDS のビデオ接続では3 組のビデオ信号とクロックの4 組の差動シリアル信号でデータを送ります(図7)。信号とクロックを並列で送信し、受け取ったクロックでデータを切り出す方法をソース・シンクロナス方式と呼びます(図8)。DDRメモリなど並列バスでよく使われる方式ですが、クロックとデータが同じタイミングでレシーバに到達する必要があります。伝送速度は、945 Mbpsで、画像解像度が6ビットカラー、1400×1050で60フレーム/ 秒までに対応しています。画面解像度や色数がこれ以上の場合、4 組の作動信号を複数、並列に使って転送速度を上げます。 しかし、4K×2Kのディスプレイに対しては、24レーン(96ペア信号)が必要となってしまいます。このため、より高速で信号配線を減少させた規格が次々と発表されています。その後、ICの消費電力低減のため、電源電圧を低下させ、高速化を測ったmini-LVDS規格が制定され、この信号を使ったビデオ接続規格も同じくmini-LVDSと呼ばれます。このmini-LVDSでは信号はドライバの出力電流を2 mAに低減し、1.2 Vを中心に±0.2 V(作動400 mV)の信号を出力します。4. V-by-One HS(V-by-One) V-by-Oneはザインエレクトロニクス(ThineElectronics)がLVDSに代わるディスプレイ用伝送規格として発表した規格です。 LVDSは3 組のビデオ信号とクロックの4レーン1組の差動シリアル信号が必要で、高速化に対して、4レーン単位で配線を増やす必要がありため、多くの配線が必要になりま前田真一の最新実装技術 あれこれ塾図6 LVDS 回路の動作図8 ソース・シンクロナス図5 CMOS 回路図7 LVDSビデオ信号接続図4 LVDS 回路53