ブックタイトル実装技術2月号2015年特別編集版
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実装技術2月号2015年特別編集版
12検査技術12 はじめに 高品質・高信頼なものづくりは、わが国の製造業の競争力の原点である。しかしながら、これらを支える検査技術については、製品の直接的な付加価値を生まないために、技術開発や最新技術の導入の面では他の工程に比較して対応が遅れている。 なかでも、外観検査は製造の主に最終工程において製品の品質を維持、保証するための重要な検査であるが、技術的あるいは経済的な理由から、人間の目を使った目視検査が多くの現場で実施されている。この目視検査は、その能力的な限界や、海外においては検査者の人件費の高騰などが大きな問題になっており、生産性向上にはボトルネックとなっている。 また、製品の取引の現場では、人の感覚に頼った基準の曖昧さに起因した品質問題が頻繁に発生している。さらに、製造のグローバル展開においては、この目視検査は、現地調達・現地生産をよりいっそう困難にしている。これらの状況から、客観的および共通の評価技術となる自動検査が求められている(図1)。 本稿では、実装分野における具体事例として、プリント配線板の金めっきパッドの検査と検査法の標準化を目指した取り組みについて紹介する。プリント配線板の外観検査には、種々の検査項目があるが、金めっきパッドの光沢むらは低コントラスト欠陥の代表であり、自動化のもっとも困難な検査の一つである。本研究では、偏光解析と画像認識及び多変量解析の組み合わせによって、金めっき光沢むらの程度を数値化し、良否の自動判別を可能とする小型検査装置を開発した1() 図2)。 むら検出の 基本コンセプトと 計測原理 外観検査では、カメラから得られる画像を直接に画像処理して検査する方法が一般的であるが、むらやシミなどの低コントラスト欠陥では、画像処理だけでは検出が難しい(図3)。画像処理が人間の頭脳の部分金めっき外観検査装置の開発と標準化産業技術総合研究所 生産計測技術研究センター / 野中 一洋、 坂井 一文図1 官能検査の自動化・客観化・共通化のニーズ図2 金めっき光沢むら検査の自動化と数値化