ブックタイトル実装技術1月号2015年特別編集版
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実装技術1月号2015年特別編集版
50 筆者は昨年、毎号、技術的な解説記事を載せて、読者の皆様のお目を汚してきたが、本年は「きらりと光る優良企業」を取材して、その商品紹介だけでなく経営に対する考えなども紹介して、皆様のビジネスにお役に立ちたいと考えている。 第1 回目の今回は、レーザーテック(株)を訪問し、技術三部部長の瀧澤英郎氏、監査室長の中嶋克宜氏(元技術本部長)、経営企画室アシスタントマネージャーの森下礼子氏の3 氏に取材させて頂いた。1. 会社概要 同社は1960年に、X線TVカメラを開発する有限会社として発足した。そして1962年に日本自動制御(株)を設立し、エアマイクロによって自動的に焦点が合う自動焦点顕微鏡を開発してヒット商品となった。実は筆者もこの顕微鏡を使った経験があり、それまで必要だった、手動での焦点合わせが不要となり、「便利な商品ができた」と、感心した覚えがある。 1976 年に自動焦点技術とTVカメラ技術を応用した世界初のLSIフォトマスク欠陥検査装置を開発して半導体分野に新規参入し、その後の業界発展を支えている。そして1985年には、これも世界初の走査型カラーレーザ顕微鏡を開発し、社名をレーザーテック(株)に変更した。LSIマスクの位相シフト量測定装置(世界初)を始め、液晶カラーフィルタの欠陥検出・欠陥修正装置、太陽電池変換効率分布測定器機器など、時代が要求する測定機器をいち早く開発している。 2014年の売上は136億円、経常利益は31.6億円で、経常利益率23.2%、自己資本比率80%、有利子負債ゼロ、という、規模は小さいながら超優良会社である。所在地は長い間、横浜市港北区綱島にあって、少し大きな町工場という感じであったが、2008 年に、図1 のような6 階建ての立派な本社を新横浜に建設されて現在に至っている。2. 技術戦略、生産戦略 同社の技術戦略は、「グローバルニッチトップ戦略」と称しており、ニッチ市場に特化し、技術的な差別化で高いマーケットシェアを獲得している。また顧客のニーズをいち早く把握することで、他社に先駆けて新製品を投入し、高い利益率を維持している。ここ10年ほど売上高はあまり伸びていないが、高利益体質を維持しており、「規模の大を追わず」を実践している。顧客ニーズをいち早く把握するのは、言うは易く、行うは難しく、将来のビジネス動向を見通す眼力が要求される。 生産は、外部委託することで設備投資を低く抑えるファブライト戦略で、機動的な事業運営を行い、本社では出荷前の調整・点検を入念に行っている。 従業員は251名で、そのうちの60%がエンジニアであり、売上の10 %を研究開発費として支出している、という技術志向の企業である。経営資源を製品開発に集中投資することにより、継続的な新製品開発を可能にしている。ただし、本社には試作品を作り評価する設備などを保持して、製造面も考慮した製品開発設計を行っている。 まとめると、技術といっても光応用技術に集中し、電子ビームやその他の技術で他社と競争することは行っていない。顧客は、半導体を中心にFPD、太陽電池、リチウム電池などに集中している。厚木エレクトロニクス / 加藤 俊夫■シリーズ・企業訪問 きらりと光る優良企業(第1回)先端光学系技術で業界発展に貢献するレーザーテック(株)図1 新横浜のレーザーテック(株)本社ビル