ブックタイトル実装技術12月号2014年特別編集版

ページ
23/32

このページは 実装技術12月号2014年特別編集版 の電子ブックに掲載されている23ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play
  • Available on the Windows Store

概要

実装技術12月号2014年特別編集版

35液置換が有利であり洗浄性が良好になる傾向がある(図1)。場合によっては超音波よりも洗浄性が良好となるが、これは相性の部分もあるので、洗浄性を上げたいという場合にスプレー洗浄の検討は必須であろう。②水系洗浄剤のリンス性 洗浄後リンスに水を使用する場合、溶剤洗浄では浴液中に微量のフラックス分子が存在し、それがリンス工程で不溶化することで再付着不具合が発生する。しかし当社水系の代表的なMPC洗浄剤の場合、そもそも液中にフラックスが溶解しない。さらに、スプレー洗浄の場合はフラックスをフィルタ除去(図2)した後の清浄度の高い洗浄液がかかるためにフラックス持出がきわめて少なく、したがって再付着に対しては圧倒的に有利である。MPC洗浄剤には界面活性剤や固形分を含まないため洗浄剤の残渣を非常に残しにくい点もメリットである。 また、洗浄剤成分濃度が溶剤系より低いため、洗浄液のリンス性も優れていることはいうまでもないだろう。●MPC洗浄の原理 ここで、本論からはずれるが、MPC 洗浄の原理について少し説明しておく。 MPC(Micro Phase Cleaning、マイクロフェーズクリーニングの略)洗浄では、静止状態では洗浄剤と水が分離している(一部水中にも溶解)。しかし一度超音波やスプレーなどの撹拌力を加えることで、浴液は均一に白濁した状態となる。ミクロの目で見ると図3のような形であり、処理液中には水と洗浄剤が動的平衡の状態となっている。洗浄剤濃度が20%の時この状態を式で表すと以下の形になる。 X+4Y+e=Z(X:洗浄剤、Y:水、e:撹拌/ 温度、Z:MPC 活 性化状態) マイクロフェーズ外側の極性相と内側の非極性相が、かわるがわるコンタミに接触することでエントロピーを増大させ、撹拌による物理力の印加で剥がす。洗浄性能も非常に優れているが、フラックスが液中に溶解しないため循環系に挿入し図2 溶剤浸漬洗浄とMPCスプレー洗浄の違い図3 マイクロフェーズ模式図