ブックタイトル実装技術10月号2014年特別編集版

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概要

実装技術10月号2014年特別編集版

15M2Mと電子部品について電子部品2 時代は進み、人間を介在せずに自動的に機械から機械(M2M)へと情報交信ができる技術の開発・普及が進んできており、IoTが現実化しはじめている。人間を介さずに機械が自動的に情報発信するためには、発信するためのきっかけ(情報)が必要となる。むやみやたらに意味のない信号を勝手に発信されたら、不要な信号が飛びかい、無駄な処理が発生するであろう。意味のある情報はどのようにして機械が取得するのか。ここで出現するのがセンサである。 すなわち、M2Mとセンサは切っても切れない関係となっており、センサネットワークとも呼ばれているシステムも提案されている。このコンセプトは以前よりあったが技術的な課題が多々あり、なかなか実用化に至らなかった。課題の一つには、個々の機器に付与されるIPアドレスの枯渇(当時はIPv4 と呼ばれるルール)があるが、IPv6 が承認されてこの課題は解決され、すべての機器に固有のIPアドレスを付与できるようになった。これにより、世界中の情報源となる機器に固有の番号をもつことができるためインターネットを介しての情報のやり取りが自由にできるようになってきた。M2Mの世界では人間が全く関与しない、あるいは指示しなくても所定のルールに従って自動的に機械が必要なる動作をして相手方に通信するのである。 現在想定されているM2Mが利用できるアプリケーションは、スマートコミュニティに深く関係するところや、インフラ設備の安全確認のためのモニタリングなどであるが、近い将来、世の中で実用実績が積まれてくるに従い、さらに活躍の場は増えてくることであろう(図1)。 では以下に、M2Mに必須の電子部品であるセンサと高周波モジュールについて述べる。   センサ センサについて書かれた書物は数多いが、そのほとんどに、「センサは千差万別」という洒落が書かれている。これはまさに言い得て妙、というか、その通りであると思う。これまでたくさんのセンサが生み出されてきたが、これからも新機能のセンサが創出されていくことは必至である。センサは自動化技術には必要不可欠のものであるが、この世の中にはまだ電子部品化できていないセンサ機能が多く残されているからである。ではここで、センサとはなにかに関して、少し考えてみよう。 読んで字のごとく、センサとは「感覚」のことであり、人間の五感に代わり、環境の変化を検知・検出する器具機器である。現在、出力信号は扱いやすいため電気信号のセンサがほとんどである。歴史的にみると、電気信号の利用が普及する以前は、狼煙、あるいは風鈴など光や音波とかを利用してきた。産業革命時代には、ばねを用いた蒸気の安全弁や重りと遠心力を応用したガバナと呼ばれる回転軸の回転数を制御するような機械的なセンサが利用されていた。 このように、電気信号を使わずにいろいろな機能を機構だけで実現した機械には今でも使用されているものがある。19世紀に入り、電気の利用が普及してくると、電気を利用したものが大半を占めるようになってきた。これほど古い歴史をもちながらもいまだに進化し続けている部品・システムは、他には見あたらない。 今日、その扱いやすさから、セラミックがセンサに多用されている。半導体セラミックス(PTC、NTCなど)やピエゾ素子など構造も、比較的簡単なので、各所に使われてきている。 センサの代表的な種類と機能を表1 に示す。セラミックの素子が使用されているセンサの種類は枚挙にいとまがないが、一例をあげると、焦電センサ(赤外線感知センサ)、ショックセンサや超音波センサなどが生活空間にあふれて梶田 栄表1 センサの種類