ブックタイトル実装技術9月号2014年特別編集版

ページ
24/30

このページは 実装技術9月号2014年特別編集版 の電子ブックに掲載されている24ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play
  • Available on the Windows Store

概要

実装技術9月号2014年特別編集版

40 京都実装技術研究会(京都府中小企業技術センター)では、7月の例会として、アントム(株)様ご協力のもと実装アドバイザー河合一男氏にご講義いただき、リフロー炉を用いてはんだ付けの実験を行った。同研究会の会員内でも、海外や外部への実装依頼ではんだ付けの品質において問題が発生している。その対策の遅れを改善するための取り組みの一環として、はんだ(フラックス)の選定とその特性のコントロールを目的として実験を行ったので、その内容を中心に本稿にまとめた。 はんだ付けは、金属組成が同じでもフラックスの熱特性による違いで、接合品質も異なる。ソルダペースト用のフラックスは、樹脂成分(ロジンなど)と溶剤及び活性剤(有機酸・ハロゲン)で反応温度の異なる複数の材料から構成されている。各メーカーではそれらを配合する種類や量が異なるため、はんだの融点前後でフラックスの挙動が異なる。よって、ソルダペーストの選定評価は、以下の項目を確認して判断するとよい。①はんだ溶融までの熱挙動と溶融後の流動の持続特性?はんだ溶融前後ではんだ及びフラックスの飛散がないこと?溶剤の気化が速いこと?はんだ溶融中にフラックスがはんだ表面全体を覆うこと?印刷面から、大きくぬれ広がらないこと②フラックス残渣?フラックスのぬれた境目がなめらかであること?フラックス表面がなめらかであること③金属表面状態?金属表面に光沢があること?フィレットの端部がなめらかであること 複数のソルダペーストを評価する場合、テスト基板や生産用の基板を用いメタルマスクでソルダペーストを印刷すると、基板の材料コストが高くなったり、準備するために時間がかかったりと効率的ではない。今回行った実験では、各メーカーのソルダペーストを銅板上に印刷してリフロー炉もしくはホットプレートで加熱した。銅板上に紙で製作したマスクを用いてソルダペーストを印刷する。こうすることで、加熱中のフラックスの特性を視覚で確認でき、フラックスの熱特性を理解することができる。その結果を元に、現場にあうソルダペーストを選定し、生産用基板でリフロー実装を行って温度プロファイルを作り込むと効率的である。 まずはじめに、実験方法を説明する。 リフロー炉の上部を開き、下部ヒータ1ゾーンのみを270℃に設定し、銅板厚さ1mmの上にソルダペースト1cm四方の大きさに印刷したものを加熱した。今回の実験には、アントム社製『UNI-6116H』を使用した(またはホットプレートでも代用できる)。加熱中の様子は、カメラなどで動画撮影する。写真1は、加熱を開始して160 秒で融点に達し、7 分経過後に自然冷却した結果である。写真2は、はんだ溶融直後の様子である。写真1 写真2京都実装技術研究会 / 松原 茂樹量産現場におけるはんだの評価