ブックタイトル実装技術7月号2014年特別編集版

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概要

実装技術7月号2014年特別編集版

18設計・解析・シミュレーション 1  はじめに 2 近年の電子機器は、製品の高機能・高性能化と小型化を両立するために、発熱密度(体積や面積あたりの発熱量)が増大し続けている。一方、デザインや静音性の要求のために、機器のファンレス化など熱設計や熱対策の自由度は非常に小さくなっている。このような設計要求の変化に応じて、熱流体シミュレーションへの要求や使いどころも大きく変化している。 本稿では、熱設計における熱流体解析ソフトウェアの最新技術や使いどころについて紹介する。また、シミュレーション技術の向上やハードウェア性能の向上を背景に、従来は現実的ではなかった製造工程に関するシミュレーションも現在は可能になりつつある。これらの事例についても紹介を行う。   半導体パッケージのモデリング 部品温度の定性的な比較検討を行う場合には、パッケージ内部の複雑な形状はモデリングを行わず、簡易的なブロックを用いてモデル化することが多い。しかし、近年では実装部品の温度マージンが小さくなっているため、より精度の高いモデリングが必要になることがある。熱設計PAC、STREAMの付属ツール『ElectronicPartsMaker』は半導体パッケージの詳細なモデリングを支援する。入力フォームに従ってパッケージサイズやリード数など必要な情報を入力すると、実装部品の詳細形状モデルが自動生成される(図1)。 詳細形状モデルは高精度な温度予測が得られる反面、細かい計算メッシュが必要になるため解析時間が増大する。その場合には、詳細形状モデルから熱的に等価なコンパク熱設計における熱流体解析技術図1 ElectronicPartsMakerによる半導体部品の作成(株)ソフトウェアクレイドル / 衛藤 潤