ブックタイトル実装技術7月号2014年特別編集版
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実装技術7月号2014年特別編集版
12設計・解析・シミュレーション123 はじめに 本稿では、図研の設計環境が車載電子機器の設計に対して、設計・解析・検証という切り口でどのように貢献できるかを説明する。 前半は『CR-8000 Design Force』が、最新デザインレビュー環境として、設計者が解析しながら設計することを強力にアシストできるかを説明する。 後半は、「熱」の課題に対して、どのように設計していくべきなのか、そのアシストをするためのツール『サーモシェルパ』の概要と効果について説明する。 3Dを活用した 直感的な設計・検証環境 『CR-8000 Design Force』 『CR-8000 Design Force』では、Package on PackageやBoard on Boardなどの複数のパッケージや基板からなるマルチボード構成を同一キャンバス上で表現することで、より直観的な可視化を実現している。 システムとしての動作を検証するための基板-パッケージ間や、基板-基板間をまたがるシステムレベルでの信号やグランドを対象にしたSI 解析、PI 解析が組み込まれており、容易に解析を行うことができる。 あわせて、組み込まれた配線抽出アルゴリズムとフィールドソルバにより、設計中に、高速デジタル信号の特性インピーダンスの準拠度や配線遅延時間の遵守状況をチェックできる。また差動信号に対して、カップリング率や差動インピーダンスの準拠度を容易にチェックできる。これらにより信号全体のサマリーチェックだけでなく、詳細に経路レベルでの特性をチェックし、ルールベース的に問題点をすばやく見つけられる(図1)。 また『CR-8000 Design Force』では、SI/PI/EMIの電気的なルール・ノウハウを設計にタイムリーに適用するためのデザインレビューツール「EMC Adviser EX」も実装している。「EMC Adviser EX」は、3D チェック結果表示や断面表示を併用することで検証を効率よく行うことができる。 このように『CR-8000 Design Force』には設計している最中でも電気的特性を把握できるような機構を数多く組み込んでいる。 もちろん、各種詳細解析ツールとは、Design Force の最新アーキテクチャを活かした親和性の高いインテグレーションの実現を進めている(図2)。 Agilent 社、ANSYS 社、AWR 社、CST 社などのSI/PI/EMI、熱、応力などの解析ツールとの連携が可能となっている。 商品企画段階で活用する 熱設計ツール『サーモシェルパ』 電子機器のようにエネルギーを利用する製品は、その結果として必ずエネルギーの大部分を熱として周囲空気に放散しなくてはならない。車載電子機器における解析活用設計環境と熱設計(株)図研 / 松澤 浩彦、( 株)ジィーサス / 藤田 哲也図1 直感的な電気的特性の把握