ブックタイトル実装技術5月号2014年特別編集版

ページ
21/30

このページは 実装技術5月号2014年特別編集版 の電子ブックに掲載されている21ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play
  • Available on the Windows Store

概要

実装技術5月号2014年特別編集版

31分析しても有効なデータが得られないこともあることは承知しておかなければならない。電気的にショートかオープン状態かを調査しておくことは不具合の原因を特定する上で有効である。3. 製品情報の収集と整理 発煙・発火などの重大事故を発生した当該製品が使用されていた環境を調査しておくことは、事故原因解明の有効な情報となるため、正確に記録しかなければならない。市場での稼動時間、製造した時期、同様の不具合の発生台数などの基本情報は収集しておく。次に、部品のロットNo.材料・工法の変更、製造設備の増設の有無、製造場所など、当該不具合製品を製造した時期に何か変更した事柄は重要な情報である。何の変更点もなく、また不具合の発生が1台のみであれば、偶発的かつ単発に発生したものとして処理できることもあるが、不具合の発生台数が複数で、かつ製造した時期が一定の範囲に限定される場合には、そこにはなんらかの因果関係が存在することが考えられる。 さらに、製品の不具合が通常使用によるものか誤使用によるものかの情報も必要である。その中には、あらかじめ作る側にとって、予想される誤使用と予想されない誤使用がある。たとえば、洗濯機は必ずしも衣類を洗濯する時だけに使われないことを想定して「ものづくり」を考えておかなければならない。取扱説明書や仕様書での注意や危険性を喚起するマークを添付することだけをもって、メーカーとしての製造責任を回避しようとすることとは、厳に慎むべきである。4. 機器分析装置 機器分析装置多くは半導体を開発するために生まれたものが多く、基本的に物理量を計測している。光、電子、イオン、X線などを試料に照射し、試料から放出される特性X線、二次電子、反射電子、光電子、オージェ電子などを計測することで、局所分析、極表面分析、極微量分析、状態分析、構造分析、デプスプロファイル(深さ方向分析)を可能にしている(表1)。 このうち、実装現場の工程不具合品を調査する製造技術部門、市場回収品の不具合原因を調査する品質管理部門、技術部門において、はんだ接合部を分析するために有効な分析装置としては、実体顕微鏡、金属顕微鏡、走査型電子顕微鏡(EDX付き)、電子線マイクロアナライザー(WDS付き)、蛍光X線分析装置、オージェ電子分析装置、光電子分析装置、X線回折装置、X 線透視装置などがあるが、本稿では、実体顕微鏡、金属顕微鏡、走査型電子顕微鏡(EDX付き)、電子線マ表1 物理分析装置?集束イオンビーム(FIB)?二次イオン質量分析装置(SIMS)?X線光電子分光分析装置(XPS)?電子線微小部分析装置(EPMA)?走査型オージェマイクロプローブ(SAM)?X線光電子分光分析装置(XPS)?走査型オージェマイクロプローブ(SAM)?高速電子線回折装置(HEED)?ICP発光分光分析装置(ICP-AES)?イオンクロマトグラフ?近赤外紫外分光分析装置?炭素・硫黄分析装置?原子吸光分析装置(AAS)?フレームレス原子吸光分析装置(FLA)?蛍光X線分析装置(XRFS)?発光分光分析装置?電子スピン共鳴装置(ESR)?X線回折装置(XD)?レーザーラマン分光分析装置?走査型電子顕微鏡(SEM)?透過型電子顕微鏡(TEM)?走査型トンネル顕微鏡(STM)?X線透視観察装置状態分析構造解析元素分析表面微小領域バルク①無機・金属材料の分析解析元素分析状態分析構造解析形態観察前処理