ブックタイトル実装技術4月号2014年特別編集版
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実装技術4月号2014年特別編集版
17実装工程における部品在庫を正確に管理し、JIT方式の生産システムの実現に貢献製品製造現場の改善に寄与する技術23はあくまでも部品を受け取る側であって、買うというファンクションを担っていないからです。 一方で、部品の購入を担当する経理の方々は、実装現場での使用状況をリアルタイムで正確に把握するプロセスが不在であったため、「なぜこんなに部品が余分に残るのか」という疑問を抱えながら部品の購入を行っています。 部品購入から現場へ、という流れを見てみると、まず、生産に必要な部品が購入され、それが工場用の倉庫に格納されます。そして、倉庫から工場、部品置き場を経て、各現場へと配膳されるわけですが、多くの現場ではこの中間部分、すなわち、「工場と購買部の間をコントロールして、無駄をなくす」という仕組みがまったくといっていいほど確立されておらず、一方通行的なものになっているのです。簡単に言い換えると、部品を買って、支給して、各自これで生産しなさい、という形です。 本来であれば、きちんとした生産計画に基づいて、足りなくなった部品は追加購入し、また、新たに作る製品のための準備もしつつ、製造しなければいけないのですが、ほとんどの現場では状況と実数が把握できていません。 そうするとどうなるかというと、例えば、あるプロジェクトで990 万個の部品が必要になるため、部品を1000 万個購入したとします。使用予定分を除外すると、10万個は残るはずなので、次に100 万個作るためにはあと90 万個買い足せばいいだろう……というように、製造時に発生したロスなどをカウントせず、正確な数字を把握しないまま、「~のはず」、「~だろう」という推測が重ねられるのです。そして、実際の個数は、棚卸しという実務的な行為を経てはじめて把握されるようになります。 なぜこういうことが起きるのかといえば、部品不足によるラインの停止を危惧するからです。製造ラインを止めると損害が出てしまいます。だから、余分に購入したり、次の製品のために買っておいた部品のうち共通するものを前倒しして使用し無理やり生産してしまうのです。しかも、この状況をさらに悪化させるかのように、きちんと必要数を数えて分割して算出する手間があまりに膨大だということで、たとえば1 万個の部品が入ったリールをそのまま、現場に出してしまうといったことが発生しています。その結果、残された使いかけのリールも、最終的にいくつ部品を使用したのか把握されないまま放置されてしまい、棚卸しの際に、「この部品はどこからきたのか?」とようやく気づくことになり、最悪の場合は廃棄されてしまうのです。 一般家電の工場ではかつて、数億円の部品を捨てるということを平気で行っていました。新しい製品に古い部品を使用することはなく、用をなさなくなってしまうからです。自動車なども、今までは「いずれ使うから取っておこう」という形でよかったのですが、今ではそのような考えが通用しなくなってしまいました。自動車のほとんどがエレクトロニクス化されたことで、様々な異なる部品を使うようになり、昔に比べて、自動車自体のライフサイクルが短くなってきているためです。 在庫という財産を管理する システム 余剰在庫は、はたから見れば工場に500万円、1000 万円の現金がそのまま放置されているようなものです。また、キャッシュフローにも影響するため、解消する必要があります。ただ、そうはいっても、在庫数を正確に調べるというのは大変な作業です。 毎日、数人がかりで、リール1 本ごとに何個部品が残っているかを調べている現場も実際にはあるようですが、当然、その工数も、かかる人件費も時間も膨大なものとなります。 『Valor Information Highway』と『Valor WarehouseManagement』は、サプライチェーンに着目したソリューションとして、ERPの有効性を高め、部品コストを削減するように設計されています。そしてこの2 つを組み合わせることによって、部品の消費と廃棄に関するデータをリアルタイムに活用できるため、完全な部品管理を容易に行うことができます。また、倉庫からショップフロアの部品置場を経て、部品の使用現場へといたるロジスティクス(物流)全体を追跡することが可能です。 Valor Information Highway 『Valor Information Highway』は、倉庫とショップフロアの詳細レベルの情報に、リアルタイムで正確にアクセスすることを可能にします。 高度なシステム統合が不要なので、IT部門なども巻き込んだ様々なエンジニアリングサービスを高いコストをかけてカスタマイズしながら活用する必要もなく、またシステム間の複雑な依存性も生じません。 ショップフロア全体の統合環境が、エンジニアリングやプランニングの情報からパフォーマンス、部材、トラッキング、品質に関する情報までを網羅した一貫性のある単一メンター・グラフィックス・ジャパン(株)