ブックタイトル実装技術2月号2014年特別編集版

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概要

実装技術2月号2014年特別編集版

ニューテクノロジーフラッシュ 独立行政法人 産業技術総合研究所は、1次元ナノカーボン材料であるカーボンナノチューブ(CNT)を利用した新たな配線作製技術を開発した。 従来のCNT配線技術では、大規模集積回路(LSI)の縦配線であるプラグ、あるいはビア配線を作製するために、基板に開けた配線用の微細な穴の底に堆積した触媒金属から、400℃程度の低温でCNTの束を合成して配線としていた。しかし低温合成であるため、一般的にCNTの品質は悪く、配線の抵抗も高かった。そこで今回は、別の基板上に合成したCNTを配線用の微細穴(直径:100~300 nm)に転写・挿入して、CNT配線を作製する技術を開発した。CNTの合成には配線用基板とは別の基板を用いるので高温合成が可能となり、 パナソニック(株)は、電子部品の基板搭載において、1回の加熱で、はんだ付けと同時に樹脂で補強できる、補強材技術を開発した。 これまでの補強材は、はんだが接合されるより低い温度で硬化するため、240℃でのはんだ付け後、後工程と呼ばれる製造ラインで、補強材の塗布、熱加熱が必要だったが、同技術は、当社独自の樹脂配合設計により開発した補強材を用いることにより、同社保有の樹脂強化型低温はんだと併用することで、160℃でのはんだ付けと補強材の硬化を同時に行うことができる技術であり、以下のような特徴がある。 ① 樹脂強化型低温はんだとの併用で、1回の加熱で、電子 三菱マテリアル(株)は、HV自動車の高出力モータ電源制御用のインバータなどに広く採用されている絶縁回路基板として、これまでなかった材料構成である銅(Cu)をアルミニウム(Al)に直接接合した、次世代パワーモジュール用の高性能絶縁回路基板『厚Cu付きDBA(Direct BondedAluminum)基板』を開発した。 この基板の特徴は以下のようなものがある。 ① セラミックス基板の両面に接合されたアルミニウム板に、銅回路材を直接接合した構造で、従来よりも大幅に肉厚である3.0mm(従来比約4倍)程度の銅回路材接合が可能高品質なCNTを用いた配線を作製できる。この技術により、低温での直接合成法により作製したCNTプラグより約1桁低い抵抗のCNTプラグを実現できた。 今回開発した技術は、低消費電力化のためのLSIの微細配線への応用や、3次元実装のためのシリコン貫通電極(TSV)への応用が期待されるという。部品のはんだ付けと補強材の硬化が可能 ② 160℃の低温加熱であるため、基板の反りを抑制することが可能。また、耐熱が低い部品の実装装置を用いての基板への搭載を可能としている ③ この補強材は、硬化後再加熱すれば軟化する特性を有し、製造不良発生時やユーザー故障時に、搭載した部品を基板から取り外し、容易に修理をすることができる この技術により、商品の耐落下特性や耐温度サイクル特性を向上することができ、スマートフォンやタブレットなどのモバイル機器に展開できるとという。 ② 銅板とセラミックス基板の間に接合した高純度アルミニウム層が熱応力を緩和し、温度サイクル(-40~125℃×3000サイクル以上)の条件下においてもセラミックス割れを防止するなど、高い信頼性を実現 ③ セラミックス基板として、窒化珪素だけでなく熱伝導率の高い窒化アルミニウムを用いることもでき、両面Cu付き構造やアルミニウムヒートシンク一体型構造など、様々な構造にも対応可能カーボンナノチューブのインプラントによる新たな配線作製技術を開発1 回の加熱で、はんだ付けと同時に樹脂で補強できる、補強材技術を開発次世代パワーモジュール用高性能絶縁回路基板を開発47