ブックタイトル実装技術2月号2014年特別編集版

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概要

実装技術2月号2014年特別編集版

13デジタルカメラによる高倍率、高精細画像撮影システム検査技術 また研究機関では物質、材料研究機構などで磁性体表面観察などに使われてきた。さらに工業分野では、必要倍率に応じてレンズの焦点を選択し、市販のコンパクトデジタルカメラに両面接着テープ材でレンズフランジを貼り付け、着脱使用されてきた。 最大のメリットは、光学顕微鏡を使わず、それと同等な高倍率で静止画、動画をその場で記録できるという利点である。すなわち、電源が不用で、大きな架台を必要とする作動距離(WD)の長い撮影を除いては場所を取らず、比較的低倍率では手持ち撮影も可能である。また、照明光源は特に撮影条件が暗い場合を除き、乾電池駆動する高輝度LEDなどで十分だと考える。 図1 の左上は、通常高倍率のOPT-VB33 マクロ接写、単レンズの形状を示し、その下は市販のズームデジタルカメラへの超高倍率の非球面接写レンズOPT-DGLの取り付けを示している。 このレンズは複合レンズで加工の困難さから、フランジにはめ込む方式になっている。右側はコンパクトデジタルカメラによる簡易ステージを利用した電子部品撮影状態を示しており、この装置ではたとえばがん細胞まで観察、撮影が可能である。コンパクトデジタルカメラ用には、拡大倍率に応じて3種類の接写レンズを用意しており、その特性は表1にまとめたとおりである。総合倍率はデジタルカメラのズーム、モニタサイズなどによって異なるため、数値的な表記はできない。またこの表で作動距離とはレンズ先端から被写体までの距離を示し、解像度はカメラ本体の性能によって異なるので、およその数値を示す。 当社の非球面を用いた撮影画像の特色は、通常の球面レンズに比して歪曲収差(接写レンズ自体の収差は全域にわたり、たかだた1%)がほとんどなく、被写界深度がきわめて深く、カメラを多少傾けてもすぐれた高倍率画像が撮影可能である。接写レンズのフランジ外形はφ26で、底面をデジタルカメラの先端に貼り付けるが、高性能非球面レンズの特性により、貼り付け時にカメラ本体と接写レンズの中心が1mm程度ずれるか、傾いていても、ほとんど画像に影響がない。貼り付け後は頻繁に着脱せず専用器として使用する。 通常のカメラレンズでは、離して撮影するとかなり倍率が下がり、クローズアップ撮影で1 センチに近づけても、思うような倍率の写真は撮れない。 筆者が、研究段階で生命、生体分野で撮影した映像を図2 に示す。上段左は、携帯電話に当社製レンズを貼り付けて撮影した、蜜蜂の写真で、上段の左から右への矢印の方向(株)オプトハイテック・早稲田大学図1図2表1