ブックタイトル実装技術1月号2014年特別編集版
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実装技術1月号2014年特別編集版
66これあれ塾前田真一の最新実装技術連 載第34回 フレキの損失1.レジストの影響 一般に基板表面には銅の酸化防止とはんだブリッジを避けるため、レジストが被覆されています(図1)。 このレジストは、誘電体で、誘電損失を発生させます。また、このレジストは銅箔厚さに比べて薄く、塗布方法(図2)によって、厚さむらが発生し、なかなかシミュレーションで正確な厚さデータを入力することが困難です。フイルムを使うと厚さの均一性は得られますが、コストがかかるので、安価な基板には普及していません。 また、レジストの誘電率や誘電損失の値も、レジストインクと、溶剤やカラーインクの比率や材料、などにより変化します。この辺の厚さや特性管理は、今後、損失の影響が大きくなってくると問題になってきます。 参考のため、レジスト厚が5ミクロン、10ミクロン、20ミクロンの場合の損失の違いを図3に示します。 レジストの誘電率は3.5、誘電正接は0.001としました。レジストの影響があるとはいえ、やはり損失量からみると、同じ配線幅では、表層配線のほうが有利になります。 しかし、ここでもう一つ考慮しなければならないのは導体の表面粗さです。ビルドアップではない積層基板の場合には2層基板の間にプリプレグを挟んで加熱プレスをして、多層版を作成します(図4)。材料としての2層基板はコア材との接着面はわざと銅の表面を5ミクロン程度の凹凸を付けコア材と銅箔の接着強度を上げる工夫がしてあります。銅箔の表面はもっとずっと平坦になっています(図5)。この表面平滑度は銅箔の製法や設備によって異なりますが、表面粗さ度データは、多くの場合、銅箔メーカーから発表されています。 多層基板のプレスの時、表層配線はプレス機で圧迫されます。銅は柔らかいので、プレス機の表面粗さが、銅箔の表面に転写され、プレス後は、プレス機の表面荒さが銅箔の表面粗さとなります(図6)。 積層された後で、スルーホールが空けられ、スルーホールの内壁に銅を付け、層間接続を作るために銅メッキを施します(図7)。 表面配線の銅箔粗さは、このようにプレス機の表面粗さと銅めっきの厚さの関係で決まります。内層配線は、プリプレグのほうが銅箔より柔らかいので、プレス機の表面粗さが、その図1 レジストまま銅箔の表面粗さとなります。つまり、表面図2 レジスト塗布の方法図3 レジストによる表面配線損失の違い(FR-4)