ブックタイトル実装技術1月号2014年特別編集版

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概要

実装技術1月号2014年特別編集版

27スマート・リフロー炉(直熱伝導の積極活用)によるAu:Sn共晶はんだプロセスはんだ関連技術ラメータ制御、比較的簡単なフィクスチャー作成、容易なオペレーションにより最適プロセスが短期間に実現できたのである。 このはんだ接合は、シカマ・インターナショナル社の「熱伝導+対流」リフロー炉方式によるリング・フレーム接合の安定した繰り返しによって、これまで以上のパッケージの生産性信頼性の向上を実現したものである。2.イントロダクション ハイブリッドマイクロ回路の密封(ハーメチック)パッケージは高信頼性が不可欠な航空宇宙や軍事産業で多く使われている。 このようなハイブリッド技術は、人工衛星の心臓部の電源コントロールから全ての電子回路に用いられている。 これらの高信頼性が求められるアプリケーションで使われているハイブリッド電子部品(例:3Dデバイス、リングi形フレーム、ヒートシンクなど)は厚膜、またはAu薄膜によるAuパターン回路とAu-Sn、またはAu:Ge共晶はんだで接合する場合が多い。 通常、宇宙サテライトは打ち上げから12年から15 年間問題なく作動しなければならない。その間、温度だけでも? 180℃から+150℃の変動があり、各部品にかかるストレスに耐えるには、はんだ付けにも特別な配慮が必要である。不完全な接合は隙間が残りそこから回路全体に割れが生じることもある。また、高出力回路の場合はそこからはんだが溶け出ることもありうる。したがって、長期間の作動を保証するにははんだ付けが重要である。 高温Au共晶はんだ合金(硬質はんだ)は直熱伝導面では非常にすぐれている。接合ポイントも温度サイクルの繰り返しテストでも非常に強力でクリープもほとんど見られない。ただ、このようなはんだ付けは高温(> 300℃)と不活性気体(< 100ppm酸素)環境のなかでリフローする必要がある。なお、信頼性を保つためにはんだ付けは特別なフィクチャー材は使えない状況でリフローをしなければならないため、はんだ付け面の適切な液相生成は難しいことがある。サブストレートのAu膜もAu:SnのSnに反応し、リーチング(溶脱)現象が起こることがある。たとえば、60:40比のSn:PbでもAuはわずかに存在している。したがって、Au:Sn接合間の脆弱な部分やAu膜のセラミックサブストレートからディウェッティング(はんだはじき(dewetting)が起りやすい。 スペースシステムズ/ロラール(米国カリフォルニア州パロアウト市にある宇宙装置の設計と製造会社。以下、SS/L)では、リング形 ハイブリッドパッケージの信頼性と生産性を高めるため、はんだマテリアルとはんだプロセスの研究が行われた。なかでもAu:Sn共晶はんだプロセスではハイブリッドリング形と厚膜サブストレートが取り上げられた。これまでSS/Lで採用してきたバッチ式はんだシステムは接合制御がもっとも悪い状態であった。 おのおのの部品のリフロー温度プロファイルがその都度変わってしまったため、パッケージのでき具合も部品ごとに異なってしまった。密封面でもはんだ面下のガラス絶縁体(フレームと回路間)で温度サイクル中に破損が多くあり、不良率が高かった。 SS/Lでの研究の結果パッケージ密封性はそのつど、はんだプロセスの安定性に問題があり、リング状形フレームとサブストレート間の熱膨張率に違いがあるということがわかった。リフローの温度コントロールが行き届いておらず、はんだが厚膜の奥深くまで侵入しAu:Sn中間層ができ(株)日本オーエルティ写真1 IMAPSの授賞式左からフィル・スキーン(シカマインターナショナル社営業マネージャ)、シグラド・ワットネ(シカマインターナショナル社社長)、ラジェン・チャンチャニ(IMAPS初期理事長)