ブックタイトル実装技術12月号2013年特別編集版

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概要

実装技術12月号2013年特別編集版

55かります。2.内層配線の場合(FR-4) 次に、基板材料を高周波信号用の低誘電率、低損失基板材料で検討してみます。 解析の層構成は表2に示します。ここでは、表層配線との比較のため、層厚を変更して、配線幅を表層配線と同じになるようにしています。また、FR-4 材と、低損失材での配線幅の変化をなくすため、信号線層間の厚さを変更しています。 図12はFR-4の外層配線と内層配線での、損失の違い、図13は低誘電体の場合です。図12と図13を比べると、図13 の方が表面層配線と内層配線の差が小さいことがわかります。これは、低損失材の誘電損失が小さいためです。 また、線が多くてわかりにくいですが、図14は図12と図13をまとめて表示したものです。解析結果をみると、FR-4 材、低損失材ともに、表層配線よりも内層配線のほうが損失が大きくなっています。これは、表層配線では配線の片面は空気になっていますが、内層配線では、配線に上面、下面が両方とも誘電体となっているためです。空気の比誘電率は1、誘電損失はないので、表層配線の場合、誘電損失は片面のみとなります。内層配線では、配線の、上下両面で誘電損失が発生します。逆にいうと、外層配線と内層配線の損失の差は、片面の誘電損失があるかないかの違いとなります。3.実際の基板は複雑 ここでの検討は、表層配線の場合、レジストがなく、直接、空気の層として解析していますが、実際の基板では、一般的には、配線層の上にレジストが塗布されています(図15)。このレジストの効果で、表面層配線の損失は少し大きくなります。 また、基板の製造方法や製造装置によっては、表面層と内層の銅箔表面荒さが変化する場合もあります。 損失量はこのような細かいことで、変化します。損失の検討には実際の基板の条件の正確な物理量が必要となります。■マエダ シンイチKEI Systems。日米で、高速システムの開発/ 解析コンサルティングを手がける。前田真一の最新実装技術 あれこれ塾図15 レジスト表2 層厚と配線幅 ( 内層 50Ω)図13 表層配線と内層配線の損失の違い(低損失材)図14 表層配線と内層配線の損失の違い