ブックタイトル実装技術12月号2013年特別編集版
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実装技術12月号2013年特別編集版
43細を示す。パッド間の溶融差により片側にペーストが残っているNo.1の状態では、ペーストの粘着による抑止力でチップ立ちは発生しない。この粘着力はチップ立ち促進モーメントT3 と比較し、十分に大きいとされている2)。一部が接合しているNo.2 でも、チップ立ちは発生しないだろう。問題は、片側電極にフィレット形成される時、もう一方の電極で、はんだは溶融しているが電極に接合していない場合である(図3 No.3)。この状態は、パッド間の溶融時間差と部品電極のぬれ時間差(ばらつき)が原因と考える。ちなみに、はんだぬれ上がり時間は、はんだ溶融から7、8 秒との報告がある3)。 チップ立ち発生の前提として、片側電極にはんだがぬれ上がるとき、もう一方の電極はフリーの状態になっていることが必要と考える。 2.電極へのぬれ性(チップ立ち促進力T3の大小) 図1 のチップ立ち促進モーメントT3 の大小について考えてみる。電極へのぬれ上がりが速い場合、T3の促進モーメントは大きく、遅い場合には小さい。図4 に、はんだぬれ性にすぐれるRAと、ぬれ性が劣るRMAのチップ立ち発生率データを示す。RMAでチップ立ちが発生しにくいのは、電極へのぬれ上がりが遅くT3 が小さいためと考えた。 また、2 種の異なる合金粉を混合し、ソルダペーストに使用することで、チップ立ちが減少するという報告もある4)。これは、ペースト材料で電極へのぬれ上がり速度を制限し、促進モーメントT3を小さくした取り組みといえよう。 電極へのはんだぬれ上がりが良いことは、チップ立ちを促進することになると考える。3.チップ立ちまとめ ここまでに述べてきたことをまとめると、以下の3 項が揃った時にチップ立ちは発生する。(1)浮き側電極へのはんだ未着 片側電極がはんだと接触せず( 溶融はんだとチップ電極が接合してない状態含む)、もう一方の電極のみ接合する瞬間がある(2)パッド設計と部品仕様 部品を引き上げることのできる、パッド設計と部品仕様になっている(3)電極へのぬれ性 部品を引き上げることのできる、(電極に対する)ぬれ上がりがある 図5 にまとめた図を示す。図4 ペースト活性とチップ立ち図5 チップ立ち発生の必須3条件図3 浮き側電極の接合遅れの推測