ブックタイトル実装技術11月号2013年特別編集版

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概要

実装技術11月号2013年特別編集版

38 前回、『整理技法』の(その3)として、『PDICWの活用事例』について紹介した。今回、第7弾のお役立ち情報は、『整理技法』の項目の最後として、『デジタル化の推進』について紹介する。書籍や文書などのファイルをPDF文書化して保存すれば文書管理が楽になり、保存先をクラウドにすれば、インターネットに接続できる環境であれば、PC、タブレット端末、スマホなどからアクセスして閲覧することが可能となる。 デジタル化してPCに自らデータを吸い上げることから『自吸』の言葉が使われ、それがいつの間にか『自炊』に転じて業界で定着するようになった。 今回は、その『自炊』の基本的な点にふれ、その『整理技法』を紹介したいと思う。1.デジタル化の実践 筆者が情報機器として当初使用していたのは日本語ワープロであった。その時に、増え続ける文書の管理にフロッピーディスク(FD)に保存して、そのFD(容量:1.4MB)を回覧して各部門で情報の書き込みを依頼し、各部門から集まった資料を統合・整理して、再度、各部門に再配布して役立てていた。当時は、まだ、ネットワーク(LAN)も構築されていない時代のアナログ時代に近かった。当時としてはFDに保存してデジタル化を推進した方であった。業務の効率化のためにワープロ機能をフルに活用した。 その後、会社内でも欧米並みに情報を共有化するためにワープロからPCへと移行し、社内にLANが構築された。今は、ごくあたり前のようになっているが、当時は、欧米と比較すると情報の共有化は残念ながら遅れていて、間接部門の生産性は劣っていた。 しかし、構築されたおかげで、共有フォルダにデジタル化した資料を保存して情報を共有化することができるようになった。 これによって、たとえばこんなことがあった。エレクトロニクス業界で多様されていた3 文字英略語は辞書にも掲載されていなかった。そんな中、半導体業界や実装業界で、突然、3文字英略語が頻出するようになったのである。たとえばDIP というパッケージ名が出回り、そのリードピッチが2.54mm間隔を30%縮小したShirink DIPが登場した。すなわち1.78mmピッチのS-DIPである。さらに、表面実装技術ではSMT (Surface Mount Technology) という言葉が出て、続けて、QFP、TCP、BGA、CSP、HDI、SoC、SiP ……などの英略語が見受けられるようになった。この頃はちょうど半導体技術と実装技術が飛躍的に進化した時であったので、そのような新しい略語が氾濫したのである。これらは、辞書に掲載されるのに追いつかないスピードで業界内で広まっていった。 だが困ったのは、その略語の解釈である。辞書にも掲載されていない略語をどう解釈するか。そこで、これらの英略語のフルネームを、前回ご紹介したPDICW の英略語辞書に登録して活用することを考えたのである1)。 作成した辞書は4万語を超えるまでになったため、サーバーに保存した。そして、LANでアクセスできる人には自由に使用できるように開放もした。デジタル化したことによる情報の共有化を享受したのである。 なお、この時に作成した英略語集の一部は、『プリント回路技術用語辞典』2)や『実装技術関連用語略語集』3)に採用されている。 以上は、情報の共有化するにはデジタル化が必須であることからあえて紹介した事例である。本稿でご紹介するデジタル化を実践してもらう上で、その概要をご理解いただくために図化したのが図1である。書籍、情報誌、文書などの紙文書はスキャンまたは変換して『PDF 文書』として、また対象を問わず、様々なものをデジタルカメラで撮影して『JPG画像』(もちろん、JPG画像をPDF文書へ変換していただくことも可能である)としてそれぞれを保存すれば、特定非営利活動法人 日本環境技術推進機構 横浜支部/ 青木 正光実装技術初心者のための『パスポート』   ?知のインプット/アウトプットのこつ?第7回 『整理技法』とは?(その4)<デジタル化の推進>