ブックタイトル実装技術11月号2013年特別編集版

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概要

実装技術11月号2013年特別編集版

18実装工程を効率化する技術・ソリューション123   はじめに 近年、ものづくりを取りまく環境は劇的に変化しており、開発期間短縮、品質向上などの要求が高まるなか、上流工程でシミュレーション(解析)を積極的に活用していこうとする企業が増えている。 富士通グループにおいても、90年代からシミュレーションの適用が急速に進み、今では製品開発プロセスへの定着と並行しながら、さらに適用範囲を拡大して活用されている1)。 しかし、プリント基板実装に関するシミュレーションには高度な専門技術が要求されるものが多く、実務上では解析専任者が対応しているのが実態である。より多くの現場で適用していくためには、解析専任者でなくても簡単な操作で解析業務を行うことができる仕組みづくりが必要となる。 そこで当社では、解析初心者でもリフロー解析などのプリント基板シミュレーションを簡単な操作で実現できるソフトウェア『SimPRESSO(シムプレッソ)』2()図1)を開発し、販売/サポートを行っている。 本稿では、『SimPRESSO』を活用したリフロー工程におけるシミュレーションにフォーカスし、富士通におけるノートPC 基板の反りシミュレーション、及び、アート電子(株)様におけるリフロー工程での基板の熱シミュレーションの適用事例を紹介する。   シミュレーション適用による   メリット リフロー実装の現場では、プリント基板や部品の温度を効率よく把握し、温度バランスを適切に保ち、基板の反りを低減させることが重要とされている。温度を把握する作業そのものが容易ではない中で、開発期間の短縮や信頼性の確保などの要求はつきず、試行錯誤による「試作と実験の繰り返し」では対応しきれないのが現状である。そのため、コンピュータシミュレーションを有効活用することで、試作や実測のコストを最小限に抑え、効率化を図ろうというニーズが高まっている3)4)。 また、シミュレーションの計算結果を可視化することにより、関連部門間で情報やノウハウを共有しやすくなったり、不具合の原因解明などの議論がスムーズに行えるなど、様々な効果が期待されている。 富士通グループにおいても、リフロー炉内の基板温度分布を可視化するシミュレーションや、携帯電話の落下衝撃シミュレーションなど、製品開発力の強化のために様々なシミュレーションが積極的に活用されている。   シミュレーション適用事例 ここでは、リフロー工程で問題とされることが多い、「プリント基板の反り低減」や「温度バランスの均一化」にフォーカスした、2つのシミュレーション適用事例を紹介する。1.富士通におけるノートPC基板の反り解析 富士通では、PCや携帯電話などの製品を開発するなかで、機構系シミュレーションや電気系シミュレーションなどをリフロー工程の基板反りをシミュレーションで可視化?プリント基板専用ソフトウェアSimPRESSOの適用事例?(株)富士通システムズ・イースト / 山浦 和也図1 プリント基板専用の解析ソフトウェア SimPRESSO