ブックタイトル実装技術9月号2013年特別編集版
- ページ
- 28/34
このページは 実装技術9月号2013年特別編集版 の電子ブックに掲載されている28ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。
このページは 実装技術9月号2013年特別編集版 の電子ブックに掲載されている28ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。
実装技術9月号2013年特別編集版
38ドを、面積比で5%、直径比で22%以下に制限すべきと明記されている。このことからも、はんだ中のボイドは問題視されていることがわかる。 図6にリフロー温度プロファイルを、また図7にその時のボイド発生率を示す。なお、このボイド試験は、はんだバンプ形成時の結果で部品の搭載は行っていない。図6 の温度プロファイルは、はんだ溶融温度付近の昇温勾配に注目している。前述のように、印刷されたはんだ粒が、近傍の粒と融合し、その融合程度で広さの異なるボイド領域が形成されるのであれば、はんだ粒が溶融し始めてから融合し終えるまでの時間を、ある程度でもコントロールすればボイド発生状態に差異がでると考えた。 図7ではグラフの右側でボイド率が低いことから、昇温ゾーン数を増やすことでボイド率は減少する傾向にある。また、塗りつぶしと比較し、白抜きのボイド率が高いことから、コンベア速度を上げリフロー時間の短いプロファイルでボイドの低減傾向があった。昇温速度だけに注目すればプロファイル3?2より3?1のボイド率が少なくなるはずで、プリヒート時間など、他の要因も関係し、昇温速度だけで整理することは難しそうだ。 溶融温度付近の細かな検証は重要と考えている。溶融温度では『母材との金属間化合物形成』『溶融』『金属拡散』『フラックス流出』など、短時間で無数の現象が同時に起こっている。ボイドだけでなく、はんだ付け不良、チップ立ちなどの不具合も、この領域をある程度コントロールしてやることで対策できる場合もあると考える。温度プロファイルの設定において、現状ではあまり考慮されていない溶融温度付近の温度勾配に注目し、検証されてはいかがであろうか。 なお、BGA 接合部でも、昇温速度を緩やかにすることで、ボイドが少なくなる結果も得られているようである4)。 図8の未溶融状態でボイド率は低い。溶融性が悪いため溶融時に近傍の粒との融合範囲が狭く、検出できない細かなボイドが残っているではないかと推測している。4.ボイドについてのまとめ●ソルダペーストを使った実装でボイド発生を抑えること は難しい。どうすれば、『抜けやすく』、もしくは『大きく ならないか』、を考えなければならない●リフロー温度プロファイルを工夫することで『ボイド減』 『ボイド最大径の制御』は可能であると考える●ボイド減を達成しても、他の特性に影響を及ぼす可能性 もある。総合的な評価が重要となる 完全にボイドを抑制するためには、さらなる工夫が必要図7 温度プロファイルとボイド率図6 評価リフロー温度プロファイル