ブックタイトル実装技術9月号2013年特別編集版
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実装技術9月号2013年特別編集版
36 今月号は、溶融不良とボイドについて、その原因と対策を紹介する。1.溶融不良 図1、図2 に示すのは未溶融状態である。これらの原因としては、『熱量不足』と『プリヒート時のソルダペースト劣化』が考えられる。 図1 は熱量不足による未溶融の状態である。写真中央未溶融では、はんだ周辺にフラックスの流出は認められるが、はんだ表面に光沢がない。拡大してみるとはんだ粒が表面に残っていることがわかる。この状態は、大型のアルミ電解コンデンサや大型BGAパッケージの中央など温度の上がりにくいはんだ付け部で発生しやすい。特にBGA 下は見えないので、条件出し時にプロファイルを十分注意して設定する必要がある。BGA 下の未溶融はX 線の斜め観察でも、ある程度判定できることから、このような方法で確認することもできる。 図2は『プリヒート時のソルダペースト劣化』による未溶融の状態である。リフローの場合、加熱開始から、はんだ溶融までの時間が長く、はんだが溶融するまでにペースト劣化が進む(はんだ粒の酸化、酸化膜の除去性能低下)。したがって、はんだ溶融までの加熱はできるだけ抑えるようにしたい。具体的には、溶融までの時間を短く(コンベア速度を早く)、プリヒート温度を低く抑え、劣化ゾーン(図3)の面積を小さくする。少なくとも、図7点線のようなプロファイルで溶融性に問題ないことを確認しておくべきであろう。 小ランドでは、印刷体積に占める表面積の割合が増加するため、溶融不良が発生しやすい。したがって、ファインパターンでのはんだ付け状態を確認することが重要となる。図4に1608チップと0603チップのリフロー状態を示す。プリヒート1 分の条件では1608、0603 ともはんだ付けに問題ないが、プリヒート5 分で0603 のはんだ粒が溶融しない未溶融が発生している。 また、炉中の風量や風向きに影響される可能性があることから、リフロー機種を変更した場合や風量を変えた場合も確認しておく必要がある。(株)クオルテック/ 高橋 政典実装不良の原因と対策(溶融不良とボイド)図2 プリヒートの不適による未溶融図3 リフロー温度プロファイル図1 熱不足による未溶融