ブックタイトル実装技術8月号2013年特別編集版

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概要

実装技術8月号2013年特別編集版

54としてCPUチップと同じパッケージにMCM化しています。 ICの消費電力はIOだけではなく、内部クロックや論理回路の消費電力も多くを占めています。 2.5D 実装ではチップは2 次元的に配置されるため、単位面積あたりの消費電力は個々のICをCSP(Chip Size Package)で個別部品とした場合とあまり変わりありません(図8)。 シリコンインは一般のガラスエポキシに比べ、熱伝導率が飛躍的に高くなっています。さらに、MCMは基板と違って配線長さが短く、決まっていますので、IOドライバの電流値も最適化できます。このため、インタポーザを使った2.5D 実装は、一般のCSPよりも熱設計的には有利といわれています(図9)。 また、IC の3D 実装ではパッケージ面積が小さく電源、GNDピンを増やすことが困難ですが、2.5D 実装ではパッケージ面積が大きく、ピン数を増やすことが可能です。 外部との信号接続の信号数は同じなので、ピン数を多くすることは電源・GNDピンを増やすことになります。 電源・GNDのピン数を増やすと電源供給ネット(PDN) のLとRが並列接続となり、電源ノイズが減少するだけでなくピンを介してパッケージの熱が基板に伝導され、パッケージの冷却にも効果が大きくなります。 これが現在、2.5D 実装が主流で3D 実装が実用化するまでは、あと2?3 年かかるといわれている理由です。 2.5D 実装でTSV 製造のコストや信頼性、歩留まり、電気特性などを高める実用化技術を進歩させながら、3D実装のための熱問題を製品レベルまで解決してゆくのがマイルストーンとなります。 このため、ここ数年、多くの3D 実装に関した熱問題や応力、接続信頼性に関する研究がされています(図10、図11)。3. 正のスパイラル、  負のスパイラル 昔、日本海軍の戦闘機、零戦を開発するとき、過剰設計を防止するために無駄な強度を保持していた部分を最適強度に減少したといっています。 この部分の強度を最適化すると、機体重量を軽くすることができ、この軽くした機体重量を基に強度計算を行うと、また、機体強度を小さくすることができます。この機体強度を下げた設計を行うとさらに機体重量を軽くできるのです。前田真一の最新実装技術 あれこれ塾図12 熱の負のループ図8 CSPと2.5D MCM の基板実装面積図9 2.5D MCMは熱的には有利図10 TSV 開発初期のトラブル(UMCのHot Cjips 24での発表より)図11 TSV の不良(DesignCon *1)High-Frequency TSV Failure Detection Method with Z parameter KAIST