ブックタイトル実装技術8月号2013年特別編集版

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概要

実装技術8月号2013年特別編集版

53れている電荷は温度が高いほど運動エネルギーが大きくなり、コンデンサからの漏れが早くなります。 このため、メモリが高温になるとデータが消失してエラーとなるか、または、あらかじめ高温動作を想定して短いインターバルでリフレッシュを行うようにし、消費電力を増大させます。 大きな熱問題の一つに熱応力があります。 シリコンでできているICチップとインタポーザ基板、パッケージはおのおの異なる材質で作られています。 これらの素材は各々熱膨張率が異なります(表1)。 熱膨張率の異なる素材を密着させておくと、この熱膨張率の違いにより、接合部に力(熱応力)がかかります(図2)。大きな温度変化が繰り返されると、ついには、接合部や強度的に弱い素材が破壊されます(図3)。 金属のヒートスプレッダ夫封止の場合ICチップとカバー金属の間に熱伝導率が高く、柔らかい材料を充填するのは、放熱特性を高めると同時にシリコンと金属の熱膨張率の違いを吸収する目的もあります(図4)。2. 3次元実装と熱 TSV(Through Silicon Via)が徐々に実用化され、Xilinx,やAlteraなどの製品に使われています。 しかし、これらの製品は当初、TSV 技術が目指した3D 実装ではなくTSVを誓ったシリコン基板上に平面的にICチップを配置した平面実装です(図5)。 このようなシリコンインタポーザにTSVを使ったMCM(Multi Chip Module)をチップを積層した3D 実装に対して2.5D 実装と呼ぶようになりました(図6)。 現在、チップの3次元実装でもっとも大きな問題は、熱とチップ供給電源の安定です。 シングルチップでも熱と電源の同時スイッチングノイズ(SSOノイズ)が大きな問題になっています。3D実装でチップが同一面積で複数積層されると、単位面積あたりの発熱はそれだけ増大します。 3D実装では配線が短くなり、伝送信号の品質はよくなります。チップ間を行き来する信号のドライバは配線が短いため、電流を大幅に減少することができます。このためIO電流は削減し、この部分の消費電力は減少できます。たとえば、今、直近の3D実装対象になっているメモリシステムではこのIO 電流の削減は大きな効果があります。 CPU 周りのバスではメモリバスの消費電力が非常に大きな割合を占めています。インテルの新しいCPUチップ、Haswellでは省電力を最大の目標に開発されました(図7)。 グラフィックのキャッシュメモリをeDRAM前田真一の最新実装技術 あれこれ塾図4 柔らかい充填材で熱応力を吸収する図6 2.5D 実装と3D 実装図5 シリコンインターポーザーとTSVをつかったMCM(Xilinx 社資料)図7 Intel 社の新CPU