ブックタイトル実装技術8月号2013年特別編集版

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概要

実装技術8月号2013年特別編集版

52これあれ塾前田真一の最新実装技術連 載第29回 3次元実装と熱1. 3次元実装の熱問題 電子機器の熱問題は、実装層密度の上昇と回路の高速化によって、問題がますます大きくなっています。 実装の高密度化は部品の小型化により単位面積あたりの部品数=発熱源数の増大へつながります。 また、IC の微細化により、IC 内部の素子の高密度実装化はやはりICチップの発熱を増大させます。 CMOS回路では回路の高速化はそのまま回路の消費電力=発熱の増大につながります。 ICの発熱は多くの問題を発生させます。電子回路の動作にとっては低温であればあるだけ条件がよくなります。 たとえば超伝導は数度Kの長低温での現象ですし、導体の抵抗率は温度が低くなるほど小さくなります。回路の動作速度は大きく温度に依存し、素子が高温になると回路が正常に動作しなくなってしまいます。 プロセッサチップに温度センサを付け、温度が規定値よりも上がるとクロックを自動的に遅くする仕組みがあります。これは回路の動作速度を低下させて、これ以上の発熱を抑えると同時に、高温下では回路が高速動作できないので、低速にする意味もあります。 また、高温動作で回路が速度以外にも悪影響を受けるものとしてダイナミックメモリ(DRAM)があります。現在、主メモリとして普遍的に使われているダイナミックメモリ(DRAM)は記憶素子はコンデンサとなっています。 このコンデンサに電荷が溜まっているか、電荷がないかで『1』と『0』を判定します(図1)。 コンデンサに接続されているラインは高いインピーダンスをもち、溜まった電荷を保持していますが、理想的な∞のインピーダンスではなく、ある程度の値をもっているため、電荷は徐々にもれていきます。 メモリ容量を大きくするため、チップを微細化したため、コンデンサの容量は非常に小さく、蓄えられている電荷も微小です。 この電荷が『0/1』の判定ができなくなるほど少なくなる前に一度データを読み出し、データを再書き込みし電荷をリチャージするのがリフレッシュと呼ばれる動作です。 CPUやコントローラICがアクセスしていないメモリでもすべてのメモリは自分自身で一定時間ごとにリード/ライトの動作を行っています。 当然、このリード/ライトの動作の実行は電力を消費します。このメモリチップに蓄えら図2 熱膨張率の違いで応力が生じる図1図3 熱応力の繰り返しで生じるはんだクラック(TDK(株)のホームページ(http://www.tdk.co.jp/techjournal/vol05_mlcc/contents06.htmより)表1 主な材料のおよその熱膨張率