ブックタイトル実装技術8月号2013年特別編集版

ページ
22/40

このページは 実装技術8月号2013年特別編集版 の電子ブックに掲載されている22ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play
  • Available on the Windows Store

概要

実装技術8月号2013年特別編集版

26海外工場におけるはんだ実装の改善ポイントとその事例はんだ付け技術実装技研 写真10 のようなリードのはんだ付けは、こてとリードとはんだと手が3本必要で、通常はすくいはんだ、または予備はんだ後に、こて先ではんだを再度溶かしながらリードを埋め込むようにする、いずれもフラックスがかなり失われた状態でのリード付けになるので、接合品質にばらつきがおこり、写真のような設計では市場で剥離を起こす可能性が高くなる。 当初は、リフローと手作業による予備はんだ ⇒ 鏝先ではんだを溶かしながらリード押し込む、という手順で作業していたが、これではフラックス効果が失われやすく、ぬれ不良の発生がみられた。そこで、作業手順、並びにこて先と先端形状の変更によって、リードとはんだを同時にはさみ込み、作業タクトと品質を同時に改善している。 新しいはんだごて(写真7)では十分なフラックス効果を得られ、こて先温度を高くする必要はないので、はんだ付け品質は保持される。 このように、道具を検討することで作業工程を簡略化し、またコストと品質も同時に改善できるので、生産性を、各工程ごとではなく検査工程・修正工程までを含め、トータルで評価することが重要である。 本来あるべき姿とことなる結果が見られた場合は、トータルのバランスを重視して、作業条件の設定と検査ポイントを決める。 写真11 は、こて先のあたるリード側パターンでの放熱と部品側パターンからの放熱による熱不足からくるホール上がり不足になっている。リード側(写真11 左)のはんだ付け部は良好に見えるが、部品側(写真11 右)はパターンの影響で熱不足のためにホール上がりが不十分になっている。 ベタパターンが繋がっているスル?ホールのはんだ付けは、部品リードよりベタパターンに熱供給できるこて先と、こて先よりはんだを先に供給するはさみはんだ方式で作業し、改善する(写真12)。 特に、飛散対策にははんだを先に送り、その上からこて先ではんだを挟み込むはさみはんだが有効である。 手作業の指導は、従来のように型のみを教えるのではなく、フラックスと熱移動の基本を教えた後、少しずつ条件を変えた場合のできあがりの変化を体験させるべきである。量産現場では、たえず基板も部品も設計も変わり、かつ、はんだの変更指示もでるので固定化した作業では必ず市場不良が発生してしまう。また、はんだ付け作業員がすぐに変わるので、指導方法や管理方法も再検討すべき段階にきているといえる。 手はんだには、ばらつきが出る要素が多いので、作業方法を固定するよりもできあがりを重視した作業方法を練習・体験させる方が、早く、安定した品質が得られるようになる。また、新人にいきなり作業方法を教えるのではなく、最初は全員を一度、品質検査工程に従事させて、検査できる目を養った後にラインに配置すると、修正作業も同時に進め短く硬いリードを短時間に大量にはんだ付けする。撚り線のぬれ不足は熱不足をおこしやすく、市場不良発生原因となる。写真10こて先温度が低くても、先端形状が適切であればぬれ性は安定し、無駄なはんだも必要なく、はんだボールなども発生しにくい。写真9