ブックタイトル実装技術6月号2013年特別編集版
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実装技術6月号2013年特別編集版
48に浸漬する。これによってぬれ上がりが改善された場合はフラックスの塗布不足が原因である。その対策としては、現状のフラックスよりも固形分の多いものを使用し、現状と同量のフラックスを塗布する。 ここで問題になるのが、現状のフラックスを多く塗布することである。フラックスの大半(85 ?90%)がIPA であるので、これでは、塗布を多くしても基板から落下して固形分を増やすことにはならないので、必ず、同じフラックスで固形分の多いものを使って再実験を行うようにする(図3)。1.プリヒートによるフラックスの劣化 フラックスは熱により劣化するもので、過度のプリヒートはフラックスを劣化させる大きな要因となる。プリヒートは、あくまでもフラックスの溶剤(IPA)を気化させる程度で十分である。必要な熱量ははんだ槽での浸漬時間で補い、また、浸漬時間が長く、部品や基板への熱影響が心配されるような場合には、はんだ槽の温度を下げて、部品・基板やフラックスの劣化を抑えながらトータルの熱量を確保するようにする。 プリヒートの時間を短くするか、温度を下げるかという点についてはフラックスの熱特性によるが、はんだ槽での飛散やぬれ性の状況を見て、現状より短めに調整するようにしたい(図4)。 フラックスの劣化によるはんだ上がり不良の事例を図5に示す。 コンべア速度が0.6m/m と遅いとフラックスが劣化し、はんだ上がり不足を起こすので、速度を0.8m/mまで上げてフラックスの劣化を抑えた。その結果、はんだはホール上までぬれ上がるようになった。これまでは、基板のサイズ、並びに、多層であるということを踏まえて、コンベア速度を遅くして熱量を確保していたが、予想以上にフラックスの劣化が進み、これがぬれ上がりを阻害していたので、コンべア速度のみを変更し、これによってプリヒート部の熱量を抑えられ、その効果が出ている。2.ホール上面の熱不足 図6は、ヒートシンクの影響ではなくパターンから熱が逃げたことによる熱不足を起こしているが、赤い波線部分をカッターで切るとはんだのぬれ上がりが得られるようになる。 現場においては、不良の原因をすぐに解明することができる知恵が大切であるが、技術書には肝心な点がなかなか書かれていないため、それぞれの現場に合わせて簡単に確図5図4プリヒート50 秒、浸漬時間10 秒プリヒート5 秒、浸漬時間5 秒図3フラックス塗布の不足塗布のやり直しで再度フローしたもの飛散、ツノの発生