ブックタイトル実装技術6月号2013年特別編集版
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実装技術6月号2013年特別編集版
30プリント配線板製造の動向を探るプリント配線板材料におけるポリイミド樹脂の応用12 プリント配線板への要求 プリント配線板への要求は、その時代を牽引する電子機器に依るところが大きい。そのため現在は、スマートフォン、タブレット端末からの要求が主体となっている。 その内容を少し詳しく見ると、スマートフォンにおいても、タブレット端末においても、Ultra-bookにおいても、その主体は①薄型・小型化、②多(高)機能化に集約される。 これらに用いられるプリント配線板を大きく、①メイン基板、②パッケージ基板、③その他、に分類すると、メイン基板の薄型化が特に要求されているのはスマートフォンであり、現在の8~12層板の総厚さを半分以下にするような要求がなされている。 パッケージ基板においては、総厚さに制約がある場合が多いため、薄型化よりも多(高)機能化に対する要求が主体となる。これらは、Ultra-book などのPCにおけるMPUパッケージ基板やスマートフォンにおけるアプリケーションプロセッサ基板において顕著である。 MPUなどのパッケージ基板においては、絶縁フィルムを用い、リジッド基板をコア材料としたビルドアップ多層板で、セミアディティブプロセス(SAP)によるファインパターン形成とCO2レーザによる小径ビア形成で高密度化が図られ、アプリケーションプロセッサ基板においても、モディファイドセミアディティブプロセス(MSAP)によるファインパターン形成とCO2レーザなどによる小径ビア形成で高密度化が図られている。 FPC基板は、元来、薄型化、屈曲配線化などの目的で使用されてきたものが多いが、ポリイミドフィルムにシード層を形成し、電解銅めっきでパターンを形成するMSAP 方式でのファインパターン形成及び薄型化も実用化されている。 しかし、この主体はいまだサブトラ法による両面板・片面板が主流であり、多層板やFlex-Rigid 基板の要求は少ない。 また、スマートフォンにおいては、セット自体の薄型化を実現するため、例えば同軸ケーブルからフラットケーブルへの厚さ優先の変更などといったさまざまな試みもなされている。 プリント配線板の 多(高)機能・薄型化 プリント配線板の多(高)機能・薄型化を材料、PWBの要素に分けて分類すると表1のようになる。 材料への主要求は、やはり薄絶縁層化であり、プリプレグにおいては、基材となるガラスクロスや有機繊維などの極薄化が要求される。ガラスクロスにおいては、10 μ m 程度までのものが開発されているが、プリプレグとして実用化されているのは20μ mまでである。 もう一つの材料が樹脂フィルムであり、これについては塗工機及び塗工技術の発達もあり、数μ m 厚さまでの製品化が可能である。 プリプレグと樹脂フィルムを比較すると、25 μ m以下の厚さにおいては、樹脂フィルムに多くの優位性がある。この厚さにおいては、樹脂フィルムはコストパフォーマンス、ボイドレス化、レーザ加工性などにおいてすぐれる。 PWBにおいては、その構造、L/S、ビア径などの要素があり、使用材料と基板仕様の観点からのプロセス技術が要求される。 また、このようなPWBにおいてはインピーダンス整合、差動インピーダンス整合を行う必要が多くあるため、この設計上の要素としての絶縁層厚さ、L/S等に制約を受ける場合がある。(株)ピーアイ技術研究所 / 鈴木 鉄秋