実装技術5月号2013年特別編集版

実装技術5月号2013年特別編集版 page 31/38

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49Apple 社など大口顧客向けのIC 製造をはじめました。 一方、多くのICベンダは設計とマーケティングに特化し自社で製造はしません。いわゆるファブレスベンダです。Rambus 社など、IC の一部の回路だけを販売するI....

49Apple 社など大口顧客向けのIC 製造をはじめました。 一方、多くのICベンダは設計とマーケティングに特化し自社で製造はしません。いわゆるファブレスベンダです。Rambus 社など、IC の一部の回路だけを販売するIP 企業も多くあります。 この代表的な会社はARM 社でしょう。ARM のCPUはスマートフォンを始めとして多くのSiCに使われています。 いまだに工場を持ち、設計から製造、マーケティングまでを1社で行う垂直統合型では自社のICしか製造せず、製造量が少なく設備投資が行えません。 いまの日本のエレクトロニクス会社の不調はこのような垂直統合に固執した経営者の責任も小さくありません。XilinxやAlteraも自社ではICチップは製造していません。さらにICパッケージはまた別の会社が製造しています。 このような多くの会社が製造にかかわっているなかで、TSVを使ったインタポーザの検査、製品検査で問題ができた場合の原因の切り分け、各社の原因の範囲などが問題になります。 試作や研究レベルでは各社の技術も確立しておらず、不良品が出るのは当然です。この段階では不良や問題が出ることは、かえって歓迎することです。不良が出ることにより、不良原因を追究し、実生産での対応ができるようになるからです。 しかし、実生産になれば、歩留まりの低下は生産コストに反映され、避けなければなりませんし、損害をどの会社が負担するかの実際問題となります。 Nintendo Wii U ではIBM のCPU とAMD のGPUをルネサス エレクトロニクスがMCM化した部品を使っています(図10)。 Wii U でもこのMCMで問題が発生した場合、問題の切り分けに非常に苦労したということです。AMD のGPUをルネサス エレクトロニクス、任天堂の協力で、問題切り分けのためのテスト信号をピンで、外部に出したり工夫して量産化にこぎつけています。 Hot Chips 24ではXilinx社がTSVを使った2.5D SiPのビジネスモデルと各社の役割分担を具体的に紹介しています(図11)。 日本の企業の発表は技術紹介か一般論が多く、このような具体的なビジネスモデルの紹介はあまりありません。これは、日本の企業がビジネスモデルを考えずに開発をしているからではないでしょうか?4.TSVの技術発表 表1と表2に、今年のDesignCon の発表と昨年のDAC(Design AutomationConference)でTSV、2.5D、3D 実装に関連した技術発表をリストしました。 DAC はIC 設計のEDA(ElectronicDesign Automation)関連のコンベンションでLSIの設計、設計ツールの発表が主です。このため、大学からの発表も多く、アカデミックな論理的発表が多くなっています。 DesignCon はDesign Convention の意味で、システムICから基板までシステム設計に関する発表が主となっています。このためメーカーからの発表が多く、具体的な設計などの話題が多くなっています。 どちらの発表も近年は韓国や台湾などアジアからの発表が多くなっています。 残念ながら日本からの発表は大変少なく、特に大学の発表はほとんど見受けられません。 ここでも韓国や台湾のエレクトロニクス業界と日本の業界の勢いの差を感じます。また日本では大学からの発表が少なく、将来的な展望も気がかりです。 やはりDAC の発表はTSV の解析モデル化や解析の手法などが多いですが、解析には電気特性と熱解析があります(図12)。前田真一の最新実装技術 あれこれ塾図12 TSVの熱対策(DAC*2) Exploiting die-to-die thermal coupling in 3D IC placement Georgia Institute of Technology表2 DAC 2012 TSV 関連発表表1 DesignCon 2013 TSV 関連発表