実装技術4月号2013年特別編集版 page 38/50
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52 高速信号の伝送も同じです。たとえば複数のメモリチップをコントローラの上に積層した場合、TSVを使用すれば、コントローラと各メモリチップは最短で結ばれ、少ない電流で歪みのないデータ伝送が実現できます(....
52 高速信号の伝送も同じです。たとえば複数のメモリチップをコントローラの上に積層した場合、TSVを使用すれば、コントローラと各メモリチップは最短で結ばれ、少ない電流で歪みのないデータ伝送が実現できます(図9)。 しかし、同じ積層でもワイヤボンディング接続では、細くて長い配線を介し、各チップが結ばれます。しかもワイヤは伝送線路としてみても、インピーダンスの制御が困難です(図10)。長く不安定な伝送線路で信号を伝えるためには、電流を多く流し、終端で波形を整える必要があります。 大電力を使って、品質の悪い信号を伝達します。 たとえば、韓国Hynix Semiconductor社はDDR3メモリチップを8層積層した場合、TSVではワイヤボンディングに比べ動作速度の50%向上、消費電を40%削減が達成できたと2011年3月に発表しました(図11)。3.TSVの実用化 まだ、学会発表や試作段階のTSVではありますが、TSVがまったく市場に出ていないかというと、そうではありません。 東芝やソニーでは、CMOSイメージセンサと論理ICをTSV接続した商品を量産しています(図12)。 また、FPGAではAltera 社とXilinx 社がTVSを使った2.5次元実装が製品化しています(図13、図14)。 IBM社とMicron Technology社がHMC(Hybrid Memory Cube)( 図15)を発表し、現在はSamsung 社やHP 社、ARM 社などとコンソーシアムを作成しています。 このように一部は実用化されてきたTSVですが、まだメインストリーム製品への本格的な商品化はされていません。 今年1 月のネプコンセミナーでIntel 社と米Qualcomm社は講演においてTSVを使ったチップの3 次元実装が2015?2016 年に実用化される、としていました。 このスケジュールだと、今年、2013年から来年前半にかけてはTVSは各社、量産と検査、評価技術が確立される時期にあたります。 米国各社は、このような技術のめどが立っていることに基づき、2015?2016 年に実用化を発表していると思われます。4.TSVの技術発表動向 アメリカでは1990 年頃にシリコンインタポーザ使ったマルチ・チップ・モジュール(MCM-D)が多く現れました。これは現在の2.5 次元実装です。 MCM 自身は1960 年代、IBM System360でセラミック基板に複数の部品を実装し、モジュールとして基板上に実装したものが初め(図16)で、その後、高周波回路などに前田真一の最新実装技術 あれこれ塾図12 TSVを使ったイメージセンサカメラモジュールの構造イメージ(岩手東芝エレクトロニクス http://www.toshiba-iwashiba.co.jp/product/cscm.htm#TSV )図14 Altera 社の2.5次元実装FPGA図13 Xilinx 社の2.5 次元実装FPGA 図15 HMC(Hybrid Memory Cube)図10 ボンディングワイヤのインピーダンス制御(写真はSPT社資料より、コメントは筆者)図9 TSVは配線を短くする図11 Hynix 社の8 層積層メモリ(Server Memory Forum 2012)