実装技術3月号2013年特別編集版

実装技術3月号2013年特別編集版 page 26/38

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36■『産みの苦しみ』の手助けを 清水寺をはじめとする世界遺産が多くある京都は、年間で約5千万人の観光客を迎える都市であり、茶道や華道などの伝統文化が息づき、それらを支える伝統工芸や伝統産業の都市です。....

36■『産みの苦しみ』の手助けを 清水寺をはじめとする世界遺産が多くある京都は、年間で約5千万人の観光客を迎える都市であり、茶道や華道などの伝統文化が息づき、それらを支える伝統工芸や伝統産業の都市です。そんなイメージからか、一般に「京都では電子機器工業がさかんです」というと不思議な顔をされることがありますが、京都に本社がある京セラ(株)、ローム(株)、(株)村田製作所などの企業名を出すと納得をされます。ですから京都は、『伝統技術を引継ぎ、その技術によって新しいものを作り出す都市』と呼べると思います。 また、先に挙げた会社以外にも(株)島津製作所、オムロン(株)、(株)堀場製作所など電子機器部品や製品を生産する有名企業が多く、さらに、これらの企業を支える、高い技術力をもった中小企業が府内には多くあることもご理解いただけることと思います。 ご承知のとおり、新しいものは簡単に生み出すことができず、いわゆる『産みの苦しみ』を伴うものですが、それを少しでも手助けできるようにと、京都府が設置したのが、公設の試験・研究機関である『京都府中小企業技術センター』(京都市下京区)です。 当センターでは、課題解決に向けた技術相談・支援、技術基盤強化の推進、研究開発の推進により中小企業の成長発展を支援しています。また、中小企業の技術基盤の強化、技術者などの養成、新事業展開の支援など、企業ニーズに応えた各種研究会(例:京都実装技術研究会、京都光技術研究会、京都品質工学研究会など)を設置しており、その事務局を所管しています。■京都実装技術研究会とは 昭和62 年に発足した『京都実装技術研究会』はその研究会の一つで、電子機器の生産に深く関わる基盤技術として接合・実装技術を中心に、生産現場の高度化のために必要な課題や各社が抱えている共通の問題をテーマにした研究会活動を行い、技術水準の向上に努めています。近年は、鉛フリーを含む有害物質規制の対応を中心に活動を行い、実績を収めてきました。 実装技術についての問題はすべてが解決されているわけではなく、鉛フリーについても対応、体制は整ってはいるのですが、その信頼性など、引き続き検討すべき課題は山積しています。当研究会では、発足当時の接合・実装技術の基本に立ち返り、現場に即した材料、プロセスについての情報提供、信頼性の構築方法などをテーマについて、次のような研究会を開催しています。●例会・・・約5回(オープニングセミナーを含む) ● 実装技術及びその信頼性を高めるための構造、材料、プロセ  ス設計、評価技術について、課題解決のための研究及び情報  提供を行う ● 実装技術のトレンド、新技術について情報提供を行う  実装技術において、各企業に共通する課題について、その解  決をトップランナーに講演してもらい、自社の課題解決に役立  てる●現場見学会・・・1回 ● 実装技術について、先進的に取り組んでいる工場を見学し、自  社の課題解決に役立てる  ●交流会・・・1回京都府中小企業技術センタービジネスレポート中小企業の成長発展を支援する京都実装技術研究会京都府が設置した『京都府中小企業技術センター』は、技術相談・依頼試験・機器貸付をはじめとした技術支援、研究会・セミナーによる人材の育成などを行う公設の試験研究機関である。今回は、同センターの京都府南部の拠点として、技術相談及びセンター事業の広報、及び関西文化学術研究都市に立地する大学、研究機関と府内中小企業とのコーディネートを行う、京都府中小企業技術センター・けいはんな分室の平野信雄氏に、その取り組み、並びに同センターが設置する『京都実装技術研究会』の活動内容などについて、お話をお聞きした。